(ブルームバーグ):米投資ファンドKKR傘下で不動産運用を手掛けるKJRMホールディングス(HD)は、企業の資本効率改善の流れを追い風に、日本で不動産の取得を拡大する。企業が抱えてきた不動産の切り出しに伴う潜在市場は450兆円規模に上るとみて、KKRとの連携を強めながら大型案件の取り込みを狙う。
KJRMHDの鈴木直樹社長がブルームバーグとのインタビューで明らかにした。「企業が資本効率を高めるために、保有する不動産を売却する流れはまだまだ続く」と見通した。その上で、「運用資産残高を拡大して日本一の不動産運用会社になる」と意欲を示した。
国内ではここ数年、物言う株主(アクティビスト)からの圧力や株式非公開化を契機に、企業がバランスシート見直しの一環として保有不動産を手放すケースが増えている。
バブル期に本業に直接関係のない不動産にも積極投資したことや、不動産を保有していることで融資を受けやすい商慣習なども背景に、日本企業の総資産に占める不動産の比率は欧米よりも高い。こうした構造が資本効率を押し下げる一因にもなっていた。
KJRMHDはこうした環境変化をビジネス機会と捉え、KKRとともに企業買収と不動産の切り出しを組み合わせた戦略を展開している。運用する2つの不動産投資信託(リート)や私募ファンドを通じた不動産の運用資産残高は2025年末で2兆5289億円と1年で4170億円増えた。
KKRが2025年に富士ソフトを買収した際には、同社が保有していたオフィス14棟を約687億円でKJRMHDが運用する上場リートが取得した。KKRが23年に買収したロジスティード(旧日立物流)の2000億円超の不動産売却でもKJRMHDのリートや私募ファンドが受け皿となった。
鈴木氏によると、KJRMHDが運用するリートや私募ファンドがここ数年で取得した不動産のうち、半分以上は企業が手放した物件だという。同社はKKRとの連携による案件だけでなく、独自の取り組みとしても不動産を引き続き取得する。鈴木氏は今後の取得目標額などについてコメントを控えた。
もっとも、こうした不動産投資にはリスクも伴う。金利上昇で物件の取得コストは上昇しており、不動産価格にも下落圧力がかかりやすい局面にある。ただ、鈴木氏は「賃料の上昇がそれを上回っている」とし、インフレ環境下でも収益性は維持できていると説明する。既存物件では賃料改定を進め、収益力を向上させているとも述べた。
今後取得を目指す不動産については「インフレ耐性があり、キャッシュフローが増加していく不動産を買っていく」と述べた。オフィスやホテルといった特定の物件に絞らない一方で、東京や大阪、名古屋といった大都市にある不動産を取得する意向を示した。
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