(ブルームバーグ):トランプ米政権は、連邦最高裁判所が違法と判断した関税を巡り、全面的な還付を命じた判事の権限を不服として争う方針を示した。すでに始まっている還付手続きに新たな法的混乱が生じる可能性がある。
司法省は29日、1970年代制定の国際緊急経済権限法(IEEPA)を用いてトランプ政権が導入した関税について、税関当局に輸入税の再計算を命じた裁判所命令を不服として争う意向を文書で示した。
連邦最高裁は2月、トランプ政権によるIEEPAを根拠とした広範な関税について、6対3で違法と判断した。関税還付の問題については判断を示さず、国際貿易裁判所に差し戻した。
税関・国境警備局(CBP)は4月20日、還付請求を処理するための新たなオンラインポータルを開設。最高裁が無効とした約1660億ドル(約26兆4000億円)相当の関税のうち、少なくとも一部を払い戻す意向があることを示唆していた。
しかし、トランプ政権がこうした計画を進める一方、司法省は「清算」と呼ばれる手続きによってすでに確定した輸入申告について、CBPに再処理を命じる全米的な権限を判事が行使できるとは認めなかった。これにより、新たな法廷闘争が起きる可能性が残されていた。
司法省は29日、裁判所への提出文書で、「CBPには裁判所命令なしに輸入申告の再清算や還付を行う権限はない」と主張した。
還付の対象
争点の核心は、IEEPAに基づいて課された関税を支払った輸入業者について、国際貿易裁判所に訴訟を提起していない場合であっても、判事が全国規模で還付を命じる権限を持つかどうかにある。
米政府は、還付の対象は訴訟を起こした輸入業者に限られるべきだとの考えを示している。
ホワイトハウスにコメントを求めたが、すぐには返答がなかった。
企業に助言しているある法律事務所は、輸入業者に対し、現時点では国際貿易裁判所への申し立てを急がないよう勧めている。
一方、トランプ大統領は最高裁判決を厳しく批判。還付を請求しなかった企業は将来的に政治的利益を得られる可能性があると示唆した上で、そうした企業を「覚えておく」と述べていた。
原題:US to Appeal Judge’s Order for Broad Refund of Trump Tariffs (2)(抜粋)
--取材協力:Erik Larson.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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