ファンド全体に過去最大に次ぐ流入を記録
2026年3月の日本籍追加型株式投信(ETFを除く。以降、ファンドと表記)の推計資金流出入を見ると、外国株式ファンドには1兆1,300億円と2月とほぼ同規模の資金流入があった。
さらに国内株式ファンドへの流入額は7,000億円と、2月から4,700億円急増した。それ以外にも、バランス型ファンドや、金関連と国内株式のブル・ベアを含む「その他」のファンドへの流入も、2月を上回る規模となった。
その結果、ファンド全体への流入は2兆3,700億円に達した。これは2月の1兆7,000億円から約6,800億円の増加であり、過去最大を記録した1月の2兆7,700億円に次ぐ規模であった。
3月は中東情勢の緊迫化に伴い世界的に株価が乱高下する展開となったが、個人投資家の投資意欲は極めて旺盛であったことがうかがえる。

インデックス型の国内株式に過去最大の流入を記録
中でも顕著な動きを見せたのが、インデックス型の国内株式ファンドである。
一般販売されているファンドには3月に4,400億円の資金流入があり、これまで過去最大であった2024年4月の2,600億円を大幅に上回った。

特に、日経平均株価に連動するファンドに2本を中心に3,400億円の流入を記録し、2月の純流出から大規模な流入に転じた。
3月は、日経平均株価が5万8,000円台から月末に5万1,000円目前まで7,000円以上、下落率にして10%超も急落した。
それに伴って、日経平均株価に連動するファンドを中心に押し目買いが入ったといえよう。
短期の逆張り投資だけではない可能性も
一方で、TOPIXに連動するファンドも1本を中心に900億円の資金流入があったが、2月から増加額は300億円と小幅な伸びにとどまった。
比較的、粛々と投資している個人投資家が多いこともうかがえる。
いずれにしても、下落幅の大きさや結果的に月を通じて下落したことを考慮しても、3月の流入規模は大きかったといえる。
実際、短期投資中心の国内株式のブル・ファンドへも、1本を中心に3月900億円の資金流入があり、過去最大であった2024年4月の650億円を更新したものの、増加幅自体は限定的であった。
つまり、インデックス型では短期の反発を狙った買いだけではなかった可能性がある。
これまで上昇局面で買いそびれていた中長期保有目的の個人投資家のいわば待機資金が、久々の大幅下落となったこともあり、今回の下落を機に買いに動いたことも考えられる。
今後、長期保有として定着するのかに注目
また、一般販売されているアクティブ型の国内株式ファンドにも2,800億円の資金流入があり、2月の2,500億円から小幅ながら増加した。
アクティブ型についても、押し目買いの有無は判然としないが、少なくとも販売は引き続き堅調であったといえる。
このように中東情勢の緊迫化に伴い先行き不透明感が高まる中でも、国内株式への投資意欲は総じて旺盛であったといえる。
今後、株価が回復局面を迎えた際に、3月に買付けた資金が一転して売却へ向かうのか、あるいは長期保有として定着するのかを注視したい。
なお、バランス型ファンドについても2,200億円の資金流入があり、2月から700億円増加した。2026年に入って最大の流入となるなど販売は堅調だった。
インデックス型の外国株式は巡航速度の流入
外国株式ファンドについては、一般販売されているインデックス型では7,500億円の資金流入と2月から400億円減少した。
ただし、昨年3月も7,500億円程度とほぼ同規模であったことを踏まえると、資金流入は巡航速度の範囲内といえそうである。
3月は、外国株式も国内株式ほどではないが、月間で5%以上下落するファンドが多かった。
そのような中でも、多くの人がこれまで通りに、粛々とインデックス型の外国株式ファンドに投資していることがうかがえる。
アクティブ型外国株式は、既存に限ると苦戦
それに対して、一般販売されているアクティブ型の外国株式ファンドには、2,800億円と2月と同規模以上が流入したが、流入額をそのまま評価できない。
流入額の半分にあたる1,400億円が、「マテリアル・イノベーション戦略株式ファンド」などの3月に新設されたファンドによるものだからである。
既存のファンドに限ると、1,400億円の流入にとどまり、2月から1,000億円減少した。
特に「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジなし)予想分配金提示型」は、一部で新設ファンドの乗り換えも影響したのか、1本で600億円もの資金流出を記録し、2月から流出額が倍増した。
資源関連ファンドは好調だったが
中東情勢が緊迫化する中、3月は原油を中心に資源価格が高騰したため、資源関連ファンドが総じて高パフォーマンスであった。
ただし、金関連ファンドに限っては基準価額が10%程度下落した。
そのような中、金関連ファンドには1,200億円の資金流入があったが、2月の2,000億円からは鈍化した。
このように国内株式ファンドやバランス型ファンドの販売は堅調な一方で、アクティブ型の外国株式ファンドや金関連ファンドは3月に入ってやや勢いに陰りが見えた。この流れが今後も続くのか注目したい。

(※情報提供、記事執筆:ニッセイ基礎研究所 金融研究部 主任研究員 前山 裕亮 )
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