イラン戦争に伴う混乱でプラスチック価格が急騰する中、米玩具メーカーのラーニングリソーシズは、さらなるコスト上昇を見据え、必要分を上回る在庫確保に動いている。

リック・ウォルデンバーグ最高経営責任者(CEO)によると、中国やベトナム、インドの工場で、汎用(はんよう)プラスチックである低密度ポリエチレン(LDPE)など原材料価格が最大55%上昇している。供給不足の報告も相次いでいるという。

リック・ウォルデンバーグ氏

同氏は「クリスマス商戦に向けた供給を懸念している」と語った。同社は通常よりも1カ月ほど時期を前倒しして商品を買い入れたという。「何が起きるのかを見極めるのではなく、問題が起きる前に資金を投じている」と説明した。

ウォルデンバーグ氏によれば、コストは上昇しているものの、販売価格の据え置きに努めている。これまでのところ、提携先の工場側が負担の大部分を吸収しているという。

同氏が在庫積み増しを急ぐ背景には、年内の発動が予想される米国の対中追加関税への警戒もある。同社はトランプ米大統領の通商政策に対する反対運動の最前線に立ってきた。一部の関税を無効とした連邦最高裁の訴訟でも主導的な役割を果たした。

出荷停止相次ぐ

イラン戦争によってプラスチック業界のサプライチェーンが混乱し、多種多様な工業製品に使用される石油化学製品の生産に支障が出ている。

米国の石油化学市場への影響は限定的だが、消費財パッケージ企業では既に影響が出始めている。アジアのサプライヤーが出荷を停止し、エチレンやメタノール、ポリマーグレードプロピレンなどのスポット価格が急上昇している。

米国とイランの2週間の停戦合意を受け、指標となる原油や天然ガス価格は8日の取引で下落した。この合意は、世界の原油・液化天然ガス(LNG)の約2割が通過するホルムズ海峡の再開を条件に戦闘を停止する内容だ。

だが、事実上の封鎖状態にあるホルムズ海峡でタンカーの通航が再開するかは不透明なままだ。

仮に海峡が再開されたとしても、供給回復は緩やかなものにとどまる見通しだ。石油・ガス田で生産が抑制されているほか、製油所は稼働を縮小または停止しており、主要石油化学施設の一部は攻撃で被害を受けている。

このため、石油化学製品のコストがすぐに低下する見込みは低く、プラスチック価格が下がるとは限らない。米化学大手ダウのジム・フィッタリング最高経営責任者(CEO)は先月、ホルムズ海峡が再開されたとしても、ペルシャ湾からの石油化学製品供給フローが正常化するには最大9カ月を要する可能性があると警告している。

原題:Plastic Spiking 55% Worries Toymaker About Christmas Inventory(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.