(ブルームバーグ):31兆ドル(約4900兆円)規模の米国債市場で、投資家は注目の米消費者物価指数(CPI)発表を前に、さらなる国債下落に備える動きを強めている。米国とイランの脆弱(ぜいじゃく)な停戦が維持されている中での動きだ。
9日のオプション市場でトレーダーは5年債と10年債の利回り上昇に備えるヘッジを強化した。先月の原油価格急騰がインフレ再燃につながると懸念し、ポートフォリオの調整を続けた。7日に公表されたJPモルガン・チェースの投資家調査によると、現物市場のネットロングは過去3週間で最も弱気な水準だった。
先週発表された雇用統計は予想より堅調な内容となり、景気減速懸念が和らいだ。その結果、エネルギー価格高騰による影響に再び関心が集まっている。北海ブレント原油は年初来で約60%上昇。ブルームバーグのエコノミスト調査によると、3月のCPIは前月比で、2022年6月以来最大の上昇になる見通しだ。
ブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジャック・マッキンタイア氏は「市場はインフレか雇用のどちらかに注目するが、直近の雇用がまずまずの内容だったため、関心はインフレに集中する」と述べた。
投資家がインフレと景気を巡る懸念の間で揺れ動く中、米国債利回りはここ数週間、大きく変動してきた。10年債利回りは直近の高水準からは低下したものの、9日時点で約4.27%と、2月末の3.94%から上昇している。
足元では利回り低下に備えるヘッジも見られる。8日の米国債オプション取引では、17日までに10年債利回りが約4.15%に低下することを想定した週限のコールオプションの大量購入が確認された。
一方、トレーダーは2026年の米利上げ観測を後退させたが、0.25ポイントの利下げ確率は約30%の織り込みにとどまる。今年のある時点では2回の利下げが織り込まれていた。
アメリベット・セキュリティーズの米金利責任者、グレゴリー・ファラネロ氏は「明日のCPI発表を前にわれわれは短期的には防御的な姿勢を取っている。CPIにはイランとの紛争による影響が反映され始めるだろう」と述べた。「雇用データが改善しており、今後数カ月にインフレ指標が上振れする可能性が高い中、金利が持続的に低下する余地はない」との見方を示した。
原題:Bond Traders Hedge Against More Losses as Inflation Data Looms(抜粋)
--取材協力:Edward Bolingbroke.
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.