(ブルームバーグ):9日の米国株式市場で、ソフトウエア銘柄への売りが再び膨らんだ。人工知能(AI)サービスが事業の存続を脅かすとの懸念から、同セクターの試練が続いている。
iシェアーズ拡大テック・ソフトウエア・セクターETF(上場投資信託)は3.9%下落し、2023年11月以来の安値で引けた。年初来の下落率は27%を超えた。SaaS(サービスとしてのソフトウエア)銘柄の指数は4.8%下落。週間の下落率は9%に達し、年初来からの下げは約40%に拡大した。
人手を介さず複数工程を処理するAIエージェントの広がりは、とりわけSaaS銘柄にとって脅威とみられている。
足元で売りが強まった背景には、アンソロピックとメタ・プラットフォームズによる新たなAIツールの存在がある。アンソロピックは「Claude Managed Agents」、メタは「Muse Spark」をそれぞれ発表した。

著名投資家のマイケル・バーリ氏はソフトウエア株の下落を示すチャートに言及しつつ、「こうした市場に投資しているなら、Claudeを追う価値があるだろう」とSNSに投稿した。
下げがきつかった銘柄では、パランティア・テクノロジーズが7.3%安、オラクルが4%安、セールスフォースが3.1%安、サービスナウが7.9%安、ワークデイが5.1%安となった。
ワシントン・クロッシング・アドバイザーズのケビン・キャロン共同最高投資責任者(CIO)は「これまで存在しなかった脅威が現れ、今後の成長期待は打ち砕かれた」と指摘。「AIの台頭以前は、誰かが代替となるソフトウエアを開発するという発想自体、懸念材料ではなかった。今や各社の競争優位性を改めて見直す必要がある」と述べた。
もっとも現時点では、AIが成長を阻害するとの懸念は、業績よりもセンチメント面の影響が大きい。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のデータによると、ソフトウエアセクターの利益は2027年に16.5%増加する見通し。2月下旬時点では15.7%増と見込まれており、コンセンサス予想はここ数週間で切り上がっている。売上高見通しでも同様の傾向がみられる。
またソフトウエア株のバリュエーションは長期平均を大きく下回っており、足元の下落は行き過ぎとの見方もある。ソフトウエア株に連動する指数の予想株価収益率(PER)は20.6倍で、10年平均の34倍を下回っている。
前述のキャロン氏は「長期的な懸念はあるものの、今年と来年の状況はなお比較的堅調に見える。ソフトウエア企業のバランスシートは非常に健全で、負債は少なく現金は豊富だ」と指摘。「業界は引き続き巨額のキャッシュフローと利益を生み出しており、これは魅力的な投資機会となり得ることを示唆している」と話した。
原題:Software Slumps Anew With Growth Hopes ‘Dashed on the Rocks’ (1)(抜粋)
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