(ブルームバーグ):中東での戦争によって世界経済の先行き不透明感が強まる中、日本株市場では人工知能(AI)関連投資で潤う電線などの非鉄金属株が見直されている。
「電線御三家」と呼ばれるフジクラ、住友電気工業、古河電気工業のほか、JX金属、三井金属といった半導体素材関連が含まれる東証株価指数(TOPIX)の非鉄金属指数は、戦争長期化への懸念から3月に急落した後、戻りの強さが顕著だ。3月末から今月7日までの上昇率は10%と、33業種別指数でトップとなった。
背景には、米ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)のデータセンター投資意欲の強さがある。原油高騰などの影響を直接受けにくいAI関連投資は「戦争とは独立したテーマで、マクロ経済の不透明感が強まると需要に対する確信度が相対的に高まり、買いが集まる可能性がある」と、三菱UFJアセットマネジメントの畑沢巧エグゼクティブファンドマネジャーは述べた。
野村アセットマネジメントの鈴木皓太シニア・ストラテジストは、投資家はハイパースケーラーのデータセンター向けだけでなく、超高速・大容量の通信普及に伴う一般の通信機器も含めた一歩先の需要にまで自信を持って銘柄を物色していると指摘する。
人気化した結果、非鉄金属指数のTOPIXに占める比率は2023年末の24位から13位に上昇し、存在感が高まっている。日本の国際競争力が低下する中、光ファイバーは「日本の勝ち筋」の地位を確立していると鈴木氏は語り、投資家がアンダーウエートにするのはリスクが高く、今後も保有を増やす方向にあるとみる。
ただ、昨年の上昇局面で最も買われた銘柄群だけに、下落局面では売られやすい。業績期待が高くバリュエーションも切り上がっているため、下げが大きくなりかねない点には注意が必要だ。
電線3社は5月に前期決算と今期業績予想のほか、中期経営計画も発表する見込み。三井住友DSアセットマネジメントの木村忠央チーフファンドマネジャーは、それまではサプライチェーンリスクなどについての見解が出にくいことから、「今はまだ手を出しづらい」と述べた。
SBI証券の柴田竜之介シニアアナリストは、電線各社は素材メーカーである以上、原油高により「原燃料費や物流コストなどが膨らむ」と指摘。新年度の業績計画ではコスト増をどこまで価格転嫁できるかなどで影響が分かれると読む。
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