(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長は7日、足元の金融政策は依然として適切との認識を示す一方、イラン戦争が不確実性を高め、短期的に米インフレ率を押し上げるとの見解を明らかにした。
ジェファーソン氏はデトロイト・マーシー大学での講演原稿で、金利は景気を刺激も抑制もしない範囲におおむねあると指摘した上で、関税の影響が薄れる中、現在の金融政策スタンスが雇用を支えつつ、インフレが2%の目標へと鈍化していくことを可能にするとの認識を示した。
「私は自らの見通しに引き続き慎重だ。経済の不確実性は高まっており、エネルギー価格の上昇や中東での戦争がそれに拍車をかけている。ただ現行の政策スタンスは、経済動向を見極める上で適切な状態にあると引き続き考えている」と語った。

ジェファーソン氏は、広範なディスインフレ傾向は継続するとの見方を示す一方、イラン戦争により自身の物価見通しが複雑化したと述べ、戦争がインフレや個人消費に与える影響について慎重な姿勢を示した。
「最近のエネルギー価格上昇は、少なくとも短期的には総合インフレに一定の上昇圧力を及ぼす」と指摘。「足元の通商政策の不確実性や地政学的緊張は、私のインフレ見通しに上振れリスクをもたらしている」と述べた。
米連邦準備制度はインフレ率と労働市場とのバランスを取ろうとしている。インフレ率は1月時点で2%の目標を約1ポイント上回っており、原油価格の上昇でさらに加速する見込みだ。労働市場は安定の兆しを見せながらも、過去1年間、ほとんど雇用創出がなかった。
ジェファーソン氏は労働市場についても警戒感を示し、おおむね均衡しているものの、今回の不確実性の高まりに脆弱(ぜいじゃく)だと述べた。
「現在の強い不確実性が続けば、採用に対する企業の慎重姿勢も長引き、雇用の伸びをより長く抑えるリスクがある」と指摘。「労働市場に潜在的な脆弱性がどの程度あるのかを見極める上で、今後の雇用の伸びのペースを引き続き注視していく」と述べた。
プライベートクレジット
講演後の質疑応答でジェファーソン氏は、プライベートクレジットに起因するリスクを認めた。同分野は大きく拡大してきたが、ここ数カ月は投資家の解約請求が相次いでいる。
同氏はプライベートクレジットについて「信用サイクル全体をまだ経験していない。つまり、金融システムのこの分野におけるいくつかの仕組みは、(景気低迷による)試練をまだ受けていない」と述べた。
さらに「その影響が金融安定をより広範に脅かすことがないよう、この分野の動向を引き続き注視していく」と語った。
原題:Fed’s Jefferson Says Rates Well Positioned Amid Uncertainty (1)(抜粋)
(9段落目以降にプライベートクレジットに関する発言を追加して更新します)
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