(ブルームバーグ):米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は7日、イランとの戦争に伴うエネルギーコストの上昇が全体のインフレ率を押し上げるとの見方を示しつつも、基調的な物価圧力の見通しはおおむね変わっていないと述べた。
ウィリアムズ総裁はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、基調的なインフレを巡る「状況はそれほど変わっていない」と発言。食品とエネルギーを除くコアインフレ率については、0.1~0.2ポイント程度の上昇にとどまるとの見方を示した。
2026年の米経済成長率の見通しについては、2-2.5%に下方修正したことを明らかにした。戦争前は2.5-2.75%を見込んでいた。総合インフレ率は上昇するとの見通しも示した。

政策金利については、変更を検討する必要はないとの認識を示した。
同総裁は、中東での紛争が経済に及ぼす影響を見極める上で「現在の金融政策は非常に適切な位置にある」と述べ、「金融政策はまさにあるべき水準にあり、状況が変化すれば対応できる」と語った。
イランとの戦争は、成長を鈍化させるリスクがある一方でインフレを押し上げるエネルギー価格の急騰をもたらし、連邦準備制度理事会(FRB)の二大責務を試す状況となっている。トランプ政権が7日以降、イランの民間インフラを標的にする可能性を示唆する中、紛争とそれに伴う世界的な原油供給の制約は、収束の兆しを見せていない。
パウエル議長を含む複数のFRB当局者は、高まるリスクのバランスを取るうえで、現在の金利は適切な水準にあるとの認識を示している。
ウィリアムズ総裁は、3月の雇用統計が予想以上に強い内容となり、失業率が4.3%に低下したことを受け、米労働市場についてやや自信を強めた。「労働市場は足元で一段と安定しており、弱体化している状況では決してない」と述べた。
FOMC指導体制
今後数カ月間、連邦公開市場委員会(FOMC)の議長を誰が務めるのかを問われたウィリアムズ総裁は、FRBの新議長が上院で承認されるまで、パウエル議長がFOMCの議長を務め続けるとの見解を示した。
実際にそうなると、パウエル議長は今後も相当期間にわたり金融政策に大きな影響力を維持する可能性がある。
トランプ大統領は、5月15日に任期満了を迎えるパウエル議長の後任として、元FRB理事のケビン・ウォーシュ氏を指名している。ただ、共和党の有力上院議員が、FRBを巡る司法省の調査が打ち切られない限り、ウォーシュ氏の承認を阻止すると表明している。司法省の検察当局は、この調査から手を引く意向を示していない。
パウエル氏は理事としての任期が2028年まで残っており、調査が「透明性と最終的な決着」をもって解決されるまでFRBにとどまる考えを示している。5月15日までにウォーシュ氏が承認されない場合、自身が暫定的に議長を務める見通しも示している。
原題:Fed’s Williams Expects Little Change to Underlying Inflation (2)(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.