勤労奨励金の申請の手続きや申請基準
韓国における所得税の課税単位は個人単位であるが、勤労奨励税制は世帯単位で該当するか否かの審査がなされる。
勤労奨励税制の適用対象は導入初期から2014年までには雇用者に限定されていたが、2015年からはその対象範囲が自営業者まで拡大された。
但し、事業者登録をしていない事業者や弁護士、弁理士、公認会計士、医師、薬剤師等の専門職事業者は対象から除外される。
勤労奨励金は、勤労所得、宗教人所得、または事業所得(専門職を除く)を有する世帯を対象としており、
(1)配偶者がいる場合、
(2)18歳未満の扶養する子ども、または70歳以上の父母がいる場合、
(3)配偶者および扶養する子どもがいない場合
であっても一定の条件を満たす場合に申請が可能である。
ただし、総所得要件および資産要件などの基準を満たす必要があり、さらに申請除外者に該当しない場合に限り支給対象となる。
施行初期に雇用者だけを対象とした理由は、自営業者の所得捕捉率が雇用者に比べて低かったからである。
韓国政府は自営業者の所得捕捉率を高めるために、2002年からクレジットカードを普及する政策を、そして2005年からは現金領收證制度(cash receipt institution)1を実施した。
その結果、韓国における自営業者の所得捕捉率は2001年の42.2%から2005年には62.7%まで上昇した。
勤労奨励金の申請については、給与所得のみの者は、半期ごとの申請と年1回の申請のいずれかを選択して申請することができるが、事業所得または宗教所得のある者は、年1回の申請のみ利用できる。
勤労奨励金の申請方法としては、電話(ARS)、国税庁のホームページ、または案内文に記載されたQRコードをスマートフォン等で読み取るインターネット申請などの方法を通じて申請することができる。
税務署から案内文が届いた場合には、電話(ARS)により住民登録番号(13桁)を入力して「申請」を選択した後、申請案内(SMS)に記載された個別認証番号(8桁)を入力し、案内に従って手続きを進めることで申請が可能となる。
一方、税務署から案内文が届いていない場合には、本人認証および所得資料等を提出し、税務当局による所得・財産の確認が完了した後に申請が可能となる。
勤労奨励金や子ども奨励金を申請するためには次の基準を満たす必要がある(以下はすべて2026年基準である)。
※ 世帯員構成の範囲
世帯の構成員として認められる者は、
(1)配偶者、
(2)居住者またはその配偶者と同一の住所または居所に居住する直系尊属および直系卑属
である。
(1) 単身世帯:配偶者、扶養する子ども(18歳未満)、70歳以上の直系尊属がいない世帯
(2) 片働き世帯:配偶者の「総給与額等」が300万ウォン未満の世帯、配偶者がいなくても、扶養する子ども(18歳未満)または70歳以上の直系尊属(それぞれの年間所得金額が100万ウォン以下であり、住民登録表上の同居家族として生計を共にしていること)がいる世帯
(3) 共働き世帯:居住者および配偶者それぞれの「総給与額等」が300万ウォン以上の世帯
但し、次の所得は「総給与額等」から除外される。
・ 非課税所得
・ 本人および配偶者の直系尊属または直系卑属から受け取った給与所得ならびに源泉徴収対象となる事業所得
・ 事業者登録のない者の事業所得(ただし、源泉徴収対象となる人的役務所得を除く)
・ 事業者登録のない者から受け取った給与所得
・ 人情賞与による給与所得(法人税法第67条に基づく所得処分によるもの)
・ 所得税法に基づく不動産賃貸業から生じる所得
※ 所得基準
2025年の夫婦合算年間総所得が、世帯構成に応じて定められた以下の総所得4基準額未満であること。
・勤労奨励金:単身世帯 2,200万ウォン、片働き世帯 3,200万ウォン、共働き世帯 4,400万ウォン
・子ども奨励金:片働き世帯または共働き世帯 7,000万ウォン
※ 財産基準
・2025年6月1日現在において、世帯員全員が所有する住宅、土地、建物、預金等の財産の合計額が2億4,000万ウォン未満であること。
・財産の範囲には、住宅・土地・建築物(時価標準額)、乗用自動車(時価標準額。ただし営業用を除く)、伝貰金、金融資産・有価証券、会員権、不動産を取得できる権利が含まれる。
一方、財産評価に当たっては、以下の点に留意する必要がある。
(1) 財産価額の算定に当たっては、負債は控除しない。
(2) 財産合計額が1億7,000万ウォン以上2億4,000万ウォン未満である場合には、算定額の50%のみを支給する。
(3) 住宅については、「みなし伝貰金(基準時価×55%)」と「実際の伝貰金」のいずれか低い額により評価する。
(4) 店舗については、実際の伝貰金の額のみで評価する。
(5) 申請者およびその配偶者の直系尊属・直系卑属(それらの配偶者を含む)から賃借した住宅については、実際の伝貰金との比較は行わず、みなし伝貰金(住宅価額の100%)のみで評価する。
上記の要件をすべて満たしている場合であっても、次のいずれかに該当する場合には、勤労奨励金および子ども奨励金を申請することはできない。
・2025年12月31日現在、大韓民国の国籍を有していない者
(ただし、大韓民国の国籍を有する者と婚姻している者、または大韓民国の国籍を有する扶養する子どもがいる者は申請可能である)
・2025年中に他の居住者の扶養する子どもとなっている者
・専門職事業を営む者(その配偶者を含む)
・2025年12月31日現在、継続して勤務している常用労働者(日雇い労働者を除く)のうち、月平均勤労所得が500万ウォン以上である者(その配偶者を含む)
(※本要件は勤労奨励金のみに適用される)
