(ブルームバーグ):日本では、M&A(企業の合併・買収)を後押しする規制政策や、より広範なマクロ経済の動向などを背景に、投資案件の流れは活発なペースを維持する見通しだ。アルバレス&マーサル(A&M)のポール・アヴェルサーノ氏がこう指摘した。
ブルームバーグの集計データによると、日本企業を対象とした取引件数は今年1-3月も900件を上回り、2024年後半以降の各四半期並みの水準となった。A&Mのグローバル・トランザクション・アドバイザリー・グループでグローバル・プラクティス・リーダーを務めるアヴェルサーノ氏は取材に対し、こうした勢いは「短・中期的に加速しないまでも」維持されるとの認識を示した。
中東での紛争は現時点で日本のM&Aに支障をきたしていないとし、むしろ日本固有の要因が取引を促しているという。今年1-3月に発表された案件には、アポロ・グローバル・マネジメント傘下ファンドによる日本板硝子の非公開化計画や、KKRによる太陽ホールディングスの非公開化案が含まれる。
上場企業の自己資本利益率(ROE)向上に向けた取り組みは、政府主導の企業改革の一環としてM&Aの触媒になっていると、アヴェルサーノ氏は指摘。人口動態の変化も影響しており、高齢になった多くの創業者が買収に応じる姿勢を強めているという。
円安も越境投資にとって魅力的なバリュエーションをもたらしているとした。

業種別では、航空宇宙や防衛分野が日本だけでなく世界的にも今年の案件増加をけん引する見通しだと、アヴェルサーノ氏は話した。
「航空宇宙・防衛産業や関連分野の全てが政府支出の拡大による追い風を受けている」と分析。「投資家がそれを取り込もうとしている動きが見られる」と述べた。同社はこの領域で専門人材の採用も進めている。
イランでの戦闘開始以降、旅行・レジャーなど一部セクターでは取引が棚上げされているものの、現在の紛争は世界的なディールメーキング全般を停止させたり、鈍化させたりはしていないという。
「中東の政府系ファンドには莫大な資金があり、世界的な経済動向の影響をほとんど受けない」とコメントした。これらのファンドは石油収入を分散させ、地政学的リスクを回避しようとしている。
「今回のような事態の再発を懸念し、中東からの資本流出が加速する可能性もある」と述べた。
原題:Japan M&A Momentum to Persist, Alvarez & Marsal’s Aversano Says(抜粋)
--取材協力:Veena Ali-Khan.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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