(ブルームバーグ):財務省が7日に実施した30年利付国債入札は、最低落札価格が予想と一致し、市場参加者の間からは「無難な結果だった」との声が出ている。利回りの上昇を受けて一定の需要があった。
最低落札価格は99円85銭で市場予想と一致した。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.12倍と、過去12カ月の平均(3.36倍)や前回(3.66倍)を下回った。大きいと不調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は18銭(前回12銭)だった。
長期国債先物6月物は入札後に買われ、一時前日比13銭高の130円04銭まで上昇。午前中に下落(金利は上昇)していた新発30年債は買い戻され、利回りは3.755%と同横ばいまで戻した。
SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストは、30年債入札は「無難な結果だった」と指摘。2日の10年債入札が非常に低調だったため「それなりに警戒感が強かったが、利回りが上昇したことで価格が割安化し、買う動きが出たようだ」と言う。
その上で、「ひとまず安心感が生じようが、米国のイラン攻撃の最後通告期限を前にリスクテイクする投資家が多いとは思えず、様子見が続くだろう」と話す。
今回の入札はトランプ米大統領がイランにホルムズ海峡の再開を求めた期限を前に、先行き不透明感が強い中で行われた。原油価格の高止まりやインフレ懸念、日本銀行の早期利上げ観測により、国内金利には上昇圧力がかかっている。2日の10年債入札は低調な結果に終わり、新発10年債利回りは7日に一時2.43%を付け、1999年以来の高水準を更新した。
一方、4月から30年債の発行額が6000億円と前月から1000億円減額されるなど需給が改善していることや、利回りが高水準にあることはポジティブ要因とみられていた。
焦点は利上げ
農林中金全共連アセットマネジメントの長友竜馬シニアファンドマネジャーは、債券相場は「30年債入札が無難な結果になったことで多少買われているが、中東情勢の不透明感が強く積極的な買いは見込みづらい」と語る。
長友氏が次のテーマとして挙げるのが今月の利上げの有無だ。「日銀は利上げしたいだろうが、できるかどうは政治次第だ」と指摘。利上げできなければ「年限の短いゾーンが買われる一方、長いゾーンはインフレ懸念や、日銀が後手に回るビハインド・ザ・カーブ懸念で売られ、利回り曲線はスティープ(傾斜)化しやすい」とみる。
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