(ブルームバーグ):米銀ゴールドマン・サックス・グループは同行傘下で運用する157億ドル(約2兆5100億円)規模のプライベートクレジットファンドについて、富裕層の個人投資家ではなく、長期志向の機関投資家を重視していることが、資金流出の影響抑制につながっていると明らかにした。
プライベートクレジット業界では今年、解約請求増加が大きな問題となっている。ゴールドマンは、個人投資家の資金引き揚げを好機と捉え、ライバル勢が慎重姿勢を強める中で攻勢をかける構えだ。
非上場のいわゆる「事業開発会社(BDC)」を運用するゴールドマン・サックス・プライベート・クレジットは、1-3月(第1四半期)に発行済み口数の4.999%に相当する解約請求に対応した。6日の提出書類で明らかにした。業界が上限としている5%を大きく上回る解約請求があったブルー・アウル・キャピタルなどとは対照的だ。
資金流出が続く中、ゴールドマンは融資環境に有意な変化が生じているとみている。約1兆8000億ドル規模に拡大した市場の成長を支えた激しい競争が後退しつつあり、借り手ではなく貸し手に有利な環境へと傾き始めていると、ファンドマネジャーらが株主向け書簡で分析した。
ゴールドマンは、100億ドル規模のダイレクトレンディング(直接融資)ファンドの組成も進めている。チャンスが広がっていると強調しているのは同行だけではない。11.3%の解約請求があったベアリングスのファンドは6日、解約に上限を設けた判断により、市場の混乱で生じる案件に積極的に対応できると説明した。
モルガン・スタンレーやJPモルガン・チェースもプライベートクレジットに投資する新たなファンドを計画している。ただ、JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、レバレッジドローンの損失が予想を上回る可能性があると警告している。
フィッチ・レーティングスの北米ノンバンク金融機関担当責任者メーガン・ニーナン氏は、個人投資家が距離を置くことでスプレッドやコベナンツ(財務制限条項)などの条件が改善し、貸し手に有利な「リバランス」が起きる可能性があると指摘。その上で、それが「財務報告やポートフォリオ全体の指標に反映されるには時間がかかる」との見方を示した。
ゴールドマンの担当者はコメントを控えた。
原題:Goldman Says It’s Ready to Pounce as Retail Flees Private Credit(抜粋)
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