イラン情勢の悪化による原油やナフサの供給不安が現場を直撃しています。ただ、政府は、ナフサは半年分を超える在庫を確保できていると強調しています。
群馬県太田市にある工場。こちらで作られていたのは大量の納豆容器です。
村山製作所 村山泰義 社長
「これはポリスチレンを発泡させたシートで、納豆容器や弁当箱、カップラーメンの丼ぶりの材料になる」
こうした商品の元となるのが「ナフサ」です。しかし、その「ナフサ」が手に入りにくくなり、価格が高騰。そして先月、原料の仕入れ先からある“通達”があったといいます。
村山製作所 村山泰義 社長
「約30%の値上げということで案内をいただいて、ここはもう交渉の余地はなしと。これだけの上げ幅は経験がない。作れば作るほど赤字」
日本は国内消費量のおよそ4割の「ナフサ」を中東から輸入していますが、情勢の悪化が続き、供給不足が懸念されています。
こちらの企業では、ポケットティッシュを包むフィルムなどを製造。インクもインクを薄める溶剤もナフサが原料。ただ、一部で供給制限が起きているといいます。
さらに、建築現場でも…
富山ペイントセンター 中陳武 社長
「塗料用のシンナーと防水に使うトルエンです。(原料は)石油、ナフサ」
シンナーと塗料の一部が「ナフサ」が原料。この会社では入荷の見通しが立たず、今月中にも工事が止まるおそれがあるといいます。
富山ペイントセンター 中陳武 社長
「まだ少しは何とかなるが、長引くと厳しい部分がある」
一部の現場では不足が懸念されているナフサ。きょうの国会でも焦点となりました。
立憲民主党 小西洋之 参院議員
「武力紛争が長引いて、中東のホルムズ海峡がずっと閉鎖した状態にあった場合に、ナフサそのものの輸入は中長期的にメドが現時点で立っているんでしょうか」
高市総理
「Xで半年分ということも書かせていただいたかと思います」
高市総理は自身のXで、▼調達済みの輸入ナフサと国内で精製したナフサが2か月分、▼ナフサから作られる中間段階の化学製品の在庫が2か月分で、少なくともあわせて国内需要の4か月分があると説明。さらに、今後は中東以外からの輸入を倍増させると明らかにしました。
経産省への取材を元に試算したところ、当初、中東産の輸入が減ったままだと在庫は7月中にはなくなってしまう可能性もありましたが、中東以外からの輸入増加で半年以上在庫が確保できる計算に。国は代替調達をさらに進めるとしています。
専門家は…
石油化学コンサルタント 柳本浩希さん
「最低限国内需要に見合う、ナフサの在庫を確保できているという認識。この状況がしばらく継続できるというふうには考えています」
一方で、価格高騰は避けられないと話します。
石油化学コンサルタント 柳本浩希さん
「時間がたてばたつほど各国がナフサの取り合いという形になり、更なる相場の上昇は免れません。価格が高すぎて買えないというところも、非常に懸念点になってくる」
JNNの取材では、ペルシャ湾に残されたナフサなどの石油精製品や化学薬品を積んだタンカーが12隻。
経済界からは次の一手を考えるべきとの指摘も…
経団連 筒井義信 会長
「長期化を想定した場合の次の打ち手として、需給両面で、総合的な検討を急ぐべき」
世界中がナフサの調達を急ぐ中、確保にむけてさらなる危機対応力が求められています。
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