日本銀行が6日に開いた4月の支店長会議では、現時点で中東情勢の影響は限定的ながらも、展開次第では地域経済を下押しする懸念が多くの支店から報告された。会議での報告をまとめた「各地域から見た景気の現状」を公表した。

中東情勢の緊迫化を受け、原油価格の高騰や物流の停滞に伴い、仕入れコストの上昇や原材料の供給制約による稼働率の引き下げといった影響が見られ始めていると複数の地域が指摘。「今後の展開次第では、地域の景気を下押しする可能性があることから、その動向を十分注意してみていく」との報告があった。

日本銀行本店

一方、日銀が重視する賃金動向は、春闘で大企業中心に2025年度並みの高水準の賃上げが広がっているのを受け、地域の中小企業でも「26年度も25年度とおおむね同程度の賃上げ方針を示す企業が多い」との報告が多数あった。価格設定面では人件費や物流費の上昇を販売価格に転嫁する動きが続いているとの報告が多かったという。

支店長会議では、中東情勢の緊迫化による地域経済への影響に関するヒアリング情報が注目されていた。報告からは、足元までは25年度並みの賃上げ方針や価格転嫁の継続など地域経済への影響は素材関連業種などにとどまっている一方、長期化など企業の先行き警戒感の強さも浮き彫りになった。

会議に合わせて公表した地域経済報告(さくらリポート)では、全9地域が景気の総括判断を据え置いた。一部に弱めの動きも見られるが、全ての地域で、景気は「緩やかに回復」、「持ち直し」、「緩やかに持ち直し」としている。

植田和男総裁は3月の金融政策決定会合後の会見で、中東情勢の緊迫化などで景気が下押されても、基調物価に影響がなければ利上げは可能と説明。同会合の「主な意見」では原油高に伴う物価上振れリスクを背景に利上げの必要性を指摘する声が相次ぎ、市場では早ければ今月の会合で追加利上げが行われるとの見方が増えている。

足元の金利スワップ(OIS)市場が織り込む日銀の利上げ確率は、4月会合までが約66%、6月会合までが約88%。7月会合までは100%超となっている。

(詳細を追加して更新しました)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.