(ブルームバーグ):全国銀行協会の加藤勝彦会長(みずほ銀行頭取)は、中東情勢の混乱を受け、日本銀行による追加利上げのタイミング判断が「難しい状態になった」との認識を示した。1日付での就任に先立ち、ブルームバーグとのインタビューに応じた。
日銀は27、28の両日に金融政策決定会合を開く。市場では追加利上げの時期に関心が集まる。足元の金利スワップ市場では今月の利上げ実施を7割弱の確率で織り込んでいるものの、加藤氏の発言は中東情勢の悪化に伴う国内経済の下押し懸念を示したものだ。
加藤氏は中東情勢の緊迫化が長期にわたれば「日本のみならずアジアで物価が上がり、企業業績が悪くなり、国内総生産の押し下げが起きる」と指摘した。ただ、「実質金利はまだマイナスだ」として、金利正常化に向けた日銀の利上げ方針に変わりはないだろうとも述べた。
イラン戦争は開戦から1カ月以上が経過し、米国やイランなどによる応酬が続いている。3月28日には中東にある世界最大級の二つのアルミニウム製錬所が攻撃を受け、重大な被害に遭った。原油や石油製品に加え、自動車や建材などに幅広く使われるアルミニウムに過去最大の供給途絶の恐れが生じるなど企業活動を取り巻く環境は悪化している。
前期(2026年3月期)での銀行業界の与信費用への影響については「大きな引き当てが発生するとはみていない」としつつも、はっきりと範囲が定まらないとして注視していくと説明した。「企業の資金繰りが厳しくなった場合、寄り添ってサポートする必要がある」とも述べた。
プライベートクレジット
海外では米国を中心に「プライベートクレジット」と呼ばれる新たな資金供給の仕組みが信用不安の懸念材料となっている。加藤氏はプライベートクレジットの借り手企業が破綻するなどの動きは「底を打ってはいない」と指摘した。同市場が金融当局の規制外で「急激に伸びてきたことが1つの要因」とし、今後も個別企業やファンドの破綻などが続く可能性を示唆した。
一方、現段階では「金融システムに波及するほどのインパクトにはなっていない」と述べた。「日本国内には影響はない」との認識も示した。
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