(ブルームバーグ):アジア時間31日の取引で米株価指数先物は上昇し、原油相場は上げを消した。トランプ米大統領が側近に対し、ホルムズ海峡の封鎖がほとんど解除されないままでも、対イラン軍事作戦を終わらせる意向を伝えたとする米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の報道が影響している。
S&P500種株価指数の先物は日本時間午後2時55分現在、0.8%高。ユーロ・ストックス50先物も0.7%上昇している。中東の紛争が終わりに近づきつつあるとの期待感で買い優勢となった。ただ、アジア株の回復は続かず、MSCIアジア太平洋指数は1%安。このまま推移すれば、2008年10月以来最悪の月間パフォーマンスとなる。半導体株が売られた。
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物も朝方の上げを消し、1バレル=103ドル近辺でほぼ変わらずとなっている。米国債相場は上げを拡大し、ドルは他の大半のG10通貨に対して下落した。
ドバイ港に停泊中のクウェートの原油タンカーがイランの攻撃を受けたと伝えられたことで、アジア株は下落して始まり、原油先物も一時は大幅続伸した。
米国がイランとの紛争から手を引けば、緊張緩和につながり、ホルムズ海峡の封鎖解除に向けて道が開かれる可能性がある。中東からの供給の流れが回復すれば、インドや中国といったアジアの主要な輸入国への追い風となり、世界経済の成長鈍化に対する懸念を和らげる一助となる。
「短期的な見方では、戦争の終結は歓迎すべき進展だ」と、KCMトレードのチーフマーケットアナリスト、ティム・ウォタラー氏は指摘。「ただ、ホルムズ海峡が封鎖されたままであれば、世界のエネルギー市場はさらなる供給途絶に対して脆弱(ぜいじゃく)な状況に置かれ続けることになる」と述べた。
WSJによれば、ここ数日でトランプ氏と側近らは、ホルムズ海峡の封鎖解除に向けた作戦を進めれば、自身が想定していた4-6週間以上に紛争を長引かせることになると判断したという。
「リスク資産は上昇のきっかけを待ち望んでいた」と、ヴァンエックのクロスアセット投資ストラテジスト、アンナ・ウー氏は指摘。「そのため、ストーリーの変化は市場心理にとってアドレナリンとなる。しかし、これもまた、相互に確認されたものではなく、確定したものでもない。これを基本シナリオに据えるのは、時期尚早な可能性がある」と述べた。
原題:Stock Futures, Bonds Advance on Trump War Report: Markets Wrap(抜粋)
(最新の相場の動きを追加して更新します)
--取材協力:Winnie Hsu、我妻綾、近藤雅岐.
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