イラン戦争に伴う燃料費の高騰を背景に、エコノミストは年末までの米インフレ見通しを引き上げている。一方、個人消費や経済成長、雇用の予測は下方修正している。

ブルームバーグが実施した最新の月次エコノミスト調査では、今年の個人消費支出(PCE)価格指数は平均で前年同月比3.1%上昇が見込まれている。従来予想は2.6%上昇だった。これは主に原油価格の上昇によるものだが、食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数についても、従来の見通しを上回る伸びが見込まれている。

エコノミストは、国内総生産(GDP)への影響は比較的限定的とみており、今年の成長率は平均で2.3%と予想。従来予想は2.5%だった。GDP予想の下方修正は、雇用創出の勢いが乏しいなか、年初から個人消費が弱含んでいることが一因となっている。

調査では、米利下げ時期の見通しは後ずれした。最初の利下げは現在、9月と見込まれている。

ホルムズ海峡封鎖の余波

イラン戦争はすでにガソリン価格や航空運賃の上昇を招いており、家計に影響を及ぼしている。肥料供給の混乱がいずれ食料品価格上昇につながるリスクがあるほか、輸送コストの上昇が消費財価格に波及する可能性もある。

今回のブルームバーグ調査は、経済協力開発機構(OECD)の最新見通しとも方向が一致している。OECDは主要経済国のインフレ予測を大幅に引き上げ、主要20カ国・地域(G20)の今年の平均インフレ率は4%とした。昨年12月時点の2.8%から大幅な上方修正となる。

ブルームバーグ調査でエコノミストは、今後12カ月以内に米国がリセッション(景気後退)に陥る確率を30%と予想。従来の25%から引き上げられた。

月間雇用者数の伸びの予想は、従来の7万人から4万3000人に下方修正となった。失業率は平均4.5%と見込まれている。

米国とイランが戦闘終結で早期に合意できたとしても、ホルムズ海峡を通る原油輸送の正常化には時間を要すると、アナリストは警告している。中東の石油インフラの損傷に加え、紛争後に各国が備蓄積み増しを進めれば世界的な需要が高まる可能性もあり、エネルギーコストは長期にわたり高止まりする公算が大きい。

KPMGのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は「ホルムズ海峡封鎖の余波は長く尾を引く」と指摘。「生産を止めるのは簡単だが、それを再開させるには時間がかかる」と語った。

ブルームバーグがエコノミスト79人を対象に実施した今回の調査は、3月20日から25日にかけて行われた。

原題:Economists See War Pushing US Inflation Above 3%, Hurting Growth(抜粋)

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