「心折れそう」価格転嫁できない…医療現場で高まる懸念の声

石油価格の高騰は、命を守る医療現場をも直撃している。都内のクリニックで女性が受けているのは、内視鏡の検査。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道 院長
「これ石油由来、プラスチックでできている。注射のシリンジがプラスチックでできていて、薬が詰めてある。点滴の液が通る管のこと『ルート』と言っているんだけど、ここの全てがプラスチックでできている」
医療器具のほとんどが石油化学製品だ。感染防止のため、毎回新品を使っている。
取材中、医療用手袋のメーカーから値上げの通知が届いた。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道 院長
「元々ここが一番安かったので、一箱188円で買っていた。それがちょっと前に値段が220円に上がった。さらに値段がぐんと300円まで上がっている。ぼくらこれを患者さんに価格転嫁できないので、『手袋上がったので診察料上がります』とできない」
国が価格を決める「診療報酬制度」のもとでは、コストの上昇を診察料に上乗せできない。在庫不足も起きている。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道 院長
「石油がなくなると話が出た時に、一番心配だったのは輸液セット。命に関わるから。輸液1本で命を救えるケースがたくさんある。この点滴で息を吹き返したという患者さんを、我々は何万人も今まで見てきた。最後の砦と思って、点滴は利益にならないけどやってきたが、心折れそう」