(ブルームバーグ):アンダマン海沿いのビーチリゾートからバンコクのチャオプラヤー川沿いにある名門ホテルに至るまで、タイの高級ホテルが大幅な値引きで国内居住者の需要喚起を図っている。
中東紛争に伴う渡航混乱の影響もあり、従来安定していた外国人観光客の流入が細っているためだ。外国人駐在員を含めタイ居住者は現在、通常は1泊1000ドル(約16万円)近くに達することもある5つ星ホテルに最大70%引きで宿泊できる。
バンコク最古のホテルで、リバーサイドの景観で知られる「マンダリンオリエンタル」では、バトラーサービスと朝食付きで1泊300ドル未満のプランが出ている。
一方、ライレイビーチの石灰岩の断崖を望むビーチリゾートでも、旧ココナツ農園に建てられた2階建ての宿泊施設が1泊430ドルからと約50%引きの料金で宿泊できる。
イランでの戦争に伴う航空便の欠航や空域閉鎖、とりわけタイにとって重要な欧州・アジア路線への影響により、空の旅はより複雑で費用がかさむようになっている。欧州と中東からの来訪者数は紛争開始から数週間で通常水準を16%下回っている。
観光業はタイ経済の約2割を占めており、減速が長引けば、新型コロナ禍からの回復途上にあるこのセクターに打撃となる。
タイ国政府観光庁は今年の外国人訪問者数を約3700万人と見込み、2025年から11%余りの増加を目標としている。しかし、この目標の達成は次第に不透明感を増しており、3300万人を下回れば2年連続の減少となる。
3月中旬時点でタイを訪れた旅行者は790万人で、中国やマレーシア、ロシアからの来訪者が目立つ。観光庁は、原油価格の持続的な上昇が需要をさらに冷やす可能性があると警戒感を強めている。
コンサルティング会社C9ホテルワークスのマネジングディレクター、ビル・バーネット氏は、「懸念材料が多く、より大きな影響を受けるのは大衆向け観光市場だ」と指摘し、「昨年の実績を踏まえると、今年の目標は達成できるのか。確実に下方修正リスクにさらされている」と述べた。
原題:Luxury Hotels in Thailand Cut Prices as War Keeps Tourists Away(抜粋)
--取材協力:Suttinee (Ying) Yuvejwattana.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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