米デル・テクノロジーズ創業者マイケル・デル氏のファミリーオフィスで最高投資責任者(CIO)を務めるアリサ・モール氏は、2027-28年にデフォルト(債務不履行)率が上昇する可能性は高いものの、プライベートクレジット市場の混乱は絶好の買い場になりつつあるとの見解を示した。

モール氏は23日、ニューヨークで開催されたブルームバーグのイベントで、「プライベートクレジットのセカンダリー市場で膨大な取引が行われるだろう。われわれは時間をかけて検討を進めてきており、十分に備えている」と述べた。ただ、全ての案件が同様のパフォーマンスを示すわけではなく、「ばらつき」が生じると予想。緻密な精査が求められるとの見通しを示した。

同氏は、強制的な売りを余儀なくされる売り手から「われわれが購入できる、宝石のような優良案件を探している」とし、「当然ながらディスカウントは魅力的だが、われわれが求めているのは、盤石な事業基盤を持つ企業だ」と語った。

1兆8000億ドル(約286兆円)規模のプライベートクレジット市場では、融資慣行への懸念や人工知能(AI)普及で打撃を受けやすい企業へのエクスポージャーを背景に、償還請求が相次いでいる。モール氏によると、ファンドの足かせとなっているのは、長期投資を行う機関投資家ではなく、即時の現金化を求めがちな投資家への依存を強めている、運用側の資金基盤だという。

アリサ・モール氏、プライベートクレジット市場の混乱は絶好の買い場になりつつあるとの見解を示した

モール氏は「業界を取り巻く懸念の多くは、ファンダメンタルズよりもセンチメントに起因している」と指摘。流動性を巡る投資家の期待と、実際に提供されている商品の間にある乖離(かいり)に言及した。

償還請求に直面する企業や流動性を必要とする資金の出し手の増加に伴い、プライベートクレジットのセカンダリー市場は拡大を続けると同氏はみている。エバコアの報告書によると、昨年のセカンダリー案件の取引額は前年比41%増の2260億ドルと、過去最高を記録した。

原題:Dell’s Family Office Hunts Private Credit ‘Gems’ Amid Turmoil(抜粋)

--取材協力:Jennifer Surane.

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