(ブルームバーグ):米化粧品大手エスティローダーはスペインのファッション・フレグランス企業プーチ・ブランズの買収に向けて協議中であることを明らかにした。実現すれば年間売上高が200億ドル(約3兆1700億円)規模の巨大化粧品会社が誕生することになる。
両社は取引条件の詳細を明らかにしていない。プーチの時価総額は約90億ユーロ(約1兆6550億円)。エスティローダーの株価は23日の米株式市場で7.7%安で終了し、投資家の当初の反応は必ずしも好意的でないことが示された。
エスティローダーの株価は、ステファン・ド・ラ・ファヴェリー最高経営責任者(CEO)の再建戦略への期待から過去1年で上昇してきた。しかし、同社が最近示した業績見通しの引き上げは投資家の期待を下回った。ド・ラ・ファヴェリー氏はアナリストとの電話会議で「まだ取り組むべき課題がある」と認めた。
一方、昨年約50億ユーロの売上高を計上したプーチも大きな変革の途上にあり、最近では新CEOを発表している。同社は2024年の新規株式公開(IPO)以降、業績を巡る失望が株価の重しとなるなど苦戦している。
統合リスク
エスティローダーは「ラ・メール」や「オーディナリー」など20超の化粧品ブランドを擁している。「バイレード」や「シャーロット・ティルブリー」などのブランドを保有するプーチを加えることで、再建の途上にあるエスティローダーが追加ブランドを効果的に統合できるかについて、投資家やアナリストの間で疑問が生じる可能性がある。
ド・ラ・ファヴェリー氏は、エスティローダーのブランドの販売をアマゾン・ドット・コムなど急成長するオンラインチャンネルへとシフトさせることに注力してきた。アマゾンについては、高級ブランドとしてのイメージを損なう懸念からエスティローダーは長年、参入を避けていた。また、若年層の顧客にもアピールするため、比較的低価格帯の商品も販売している。
この取引が実現すれば、エスティローダーは世界最大の化粧品会社、仏ロレアルとの競争力を高めることにもなる。ロレアルは米国市場でエスティローダーを上回る業績を上げており、「セラヴィ」などのブランドを通じて、新型コロナウイルス禍後の皮膚科学系ビューティー製品の需要拡大をいち早く取り込んでいた。
この買収交渉については、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が先に報じていた。
原題:Estée Lauder in Talks to Buy Spain’s Puig to Create Beauty Giant(抜粋)
--取材協力:Clara Hernanz Lizarraga.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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