舌下免疫療法「シダキュア」による治療実態

花粉症の根治療法として知られているのが、スギ花粉の舌下免疫療法薬「シダキュア(鳥居薬品、塩野義製薬)」だ。

2018年に保険収載され、5歳以上のスギ花粉症患者が対象となっている。2019年度以降は、NDBオープンデータでも年間の処方量を確認することができる4。

治療開始後1週間程度は「シダキュアスギ花粉舌下錠2000JAU」で始め、その後「シダキュアスギ花粉舌下錠5000JAU」に切り替えて、3~5年間、毎日継続するケースが多い。

NDBオープンデータでは処方量が公表されているが、上述のとおり本剤は毎日服用するため、処方量を365で割り、患者数の目安として併記する。

調査によると処方量(患者数)は年々増加していることが分かる。2023年度には2019年度の3倍近くにまで増えている。

2023年度のデータで治療を開始した月をみると、初期に使用する「シダキュアスギ花粉舌下錠2000JAU」は6月の処方が多く、スギ・ヒノキ花粉の飛散が終わった頃始めている。

これは、スギ花粉飛散時期には、スギ花粉に対する感受性が高まっている場合が多いため、スギ花粉飛散時期は新たに投与を開始しないことが推奨されているからだと考えられる。

患者の年齢をみると、64%が19歳以下で子どもと若年の患者が多い。ただし、2019年度には19歳以下は44%であり、19歳以下の治療が大きく伸びていた。

最後に、2023年度のデータで都道府県別処方量をみる。年齢構成の影響が大きいと考えられるため、全国平均の年齢別人口あたりの処方量を各都道府県の年齢別人口に乗じた数値(理論値とする)と、都道府県別の処方量を比較することで年齢調整を行った。

その結果、処方量の実績が理論値を上回ったのは、東京都、栃木県、神奈川県等の関東圏、愛知県、静岡県、三重県等の中部地方、山口県、徳島県等の中国・四国地方等だった。

これは、(株)ウェザーニューズによる都道府県別発症率とも一定の相関(相関係数=0.67)があり、舌下免疫療法は、発症しやすい地域の19歳以下を中心に広まっていると言える。