通勤時間によって異なる在宅勤務の頻度と心理的ストレスの関係
まず、在宅勤務の頻度別に、各通勤時間におけるK6の平均値を算出した。在宅勤務をまったくしていない人や、毎日(もしくはほぼ毎日)在宅勤務を行っている人といった、固定的な働き方をしている人については、通勤時間とK6の関係について、90分以上の人でK6が高いという右上がりの傾向が示唆される。
次に、低頻度(月1~週1日程度)で在宅勤務を行う人については、通勤時間にかかわらず、K6は高めの傾向がみられる。
さらに、在宅勤務が中頻度(週2~4日程度)の人については、通勤時間とK6の関係が大きく右下がりになっていることが確認できる。
具体的には、通勤時間が短い層では、K6の平均値が他の在宅勤務頻度と比べて最も高い一方、通勤時間が長くなるにつれてK6は低下し、90分以上の層では、他の在宅勤務頻度と比較して最も低い水準となっている。
これらの結果は、通勤時間とK6との関連が、在宅勤務の頻度によって一様ではない可能性を示唆している。

さらに、X軸を在宅勤務頻度として、通勤時間別にK6の平均値を算出した。
通勤時間が30分未満の層では、中頻度(週2~4日程度)在宅勤務の人のK6が最も高い一方、通勤時間が90分以上の人では、中頻度(週2~4日程度)在宅勤務の人のK6が相対的に低い傾向が確認できる。

さらに、男女別および正規雇用者に限定した場合にも、中頻度(週2~4日程度)在宅勤務者における「短時間通勤ではK6が高く、長時間通勤ではK6が低い」という逆転傾向は概ね一貫して確認される。
もっとも、女性では在宅勤務を行っていない層や低頻度(月1~週1日)の在宅勤務層において、通勤時間の長さに伴うK6の上昇がやや大きい傾向がみられる。
以上より、いわゆるハイブリッド勤務(中頻度の在宅勤務)は、通勤時間が短い層では心理的ストレスと正の関連がみられる一方、通勤時間が長い層では負の関連がみられ、通勤時間によって、在宅勤務頻度とメンタルヘルスとの関係が異なる可能性が示唆される。