通勤時間によって異なる在宅勤務の頻度と重度の心理的苦痛の関係
次に、K6の平均値ではなく、K6が13点以上の者(重度の心理的苦痛のカットオフ値とされている水準)の割合について、在宅勤務の頻度別に各通勤時間における割合の関係を算出した。
在宅勤務をまったくしていない、もしくは、毎日(もしくはほぼ毎日)在宅勤務を行うといった、固定的な働き方をしている人については、通勤時間とK6の関係について、90分以上の人でK6が高いという右上がりの関係がみられる。
さらに、低頻度(月1~週1日程度)で在宅勤務を行う人についても同様に、右上がりの関係が確認される。
一方、在宅勤務が中頻度(週2~4日程度)の人については、通勤時間と割合の関係が右下がりになっていることが見受けられる。
具体的には、通勤時間が短い人の間では、在宅勤務が週2~4日程度の人のK6が13点以上の人の割合が他の在宅勤務頻度カテゴリーに比べて最も高い一方で、通勤時間が30分以上の人の間ではその割合は低くなり、特に90分以上の通勤者の中では、在宅勤務を毎日(もしくはほぼ毎日)している層やまったくしていない層とほとんど変わらない水準となっていることがわかる。
この傾向は、通勤時間と重度の心理的苦痛の関係が、在宅勤務の頻度によって異なる可能性を示唆している。

さらに、X軸を在宅勤務頻度として、通勤時間別にK6が13点以上の人の割合を算出した。
通勤時間が30分未満の層では、中頻度(週2~4日程度)の在宅勤務の人におけるK6が13点以上の人の割合が最も高い一方、通勤時間が90分以上の人では、中頻度(週2~4日程度)あるいは毎日(もしくはほぼ毎日)在宅勤務の人のK6が13点以上の人の割合が相対的に低い傾向が確認できる。

つまり、重度の心理的苦痛のカットオフに注目した場合にも、K6の平均値に注目した分析と整合的に、いわゆるハイブリッド勤務(中頻度の在宅勤務)は、通勤時間が短い層では重度の心理的苦痛と正の関連がみられる一方、通勤時間が長い層では負の関連がみられることが確認された。