原油や海外の影響を受けやすい日本経済
このように植田総裁が先行きの方向性に慎重な姿勢を示しているのは、原油の中東依存、なかんずくホルムズ海峡依存が、他の先進国より際立って高い日本では、ショックがより大きくなる可能性が高いからです。また、かつてのリーマンショックの時のように、グローバル経済危機が起きた場合には、海外依存度の高い日本経済のダメージが、時に、発生国以上に大きくなるといった、過去の例もあるからです。
インフレ懸念は感じつつも、石油ショックが起きた際に、日本の景気悪化リスクは大きいと認識しているのでしょう。
また、次の利上げに向けた高市政権との調整が、まだついていないという事情もあるかもしれません。2月12日に総選挙後初めて、植田総裁が高市総理大臣を訪ねた際に、「高市総理は追加利上げに難色を示した」と、毎日新聞が報じました。それはまだイラン攻撃前の話です。仮に報道が正しければ、原油価格が実際に急騰している今は、「難色」といったレベルではないでしょう。
中東情勢の安定化が見えてこなければ、現実的には、次の利上げに動くことは、難しいかもしれません。