(ブルームバーグ):イーロン・マスク氏による2022年のソーシャルメディア企業ツイッター買収で、同氏は当初提示した440億ドル(現在の為替レートで約7兆円)より低い価格で買収することを狙い、同社を中傷して投資家を欺いたと、米サンフランシスコ連邦地裁が判断した。
同連邦地裁の陪審は20日、マスク氏がツイッター(現在のX)に偽アカウントが多過ぎるとのツイートで買収から手を引こうと示唆し、同社の株主を意図的に誤解させたと認定した。マスク氏側の弁護団は控訴する意向を示した。陪審は、詐欺の申し立て4件のうち2件は退けた。
8人の陪審は、マスク氏のコメントがツイッターの株価をどの程度押し下げたかを約5カ月にわたる期間の取引日ごとに算定した。個人投資家に支払われる損害賠償額は、株主が請求を提出し、別途決定される。総額は数億ドルから数十億ドルに達する可能性がある。
投資家側のマーク・モランフィー弁護士は評決後、賠償額は26億ドルに上るとの見方を示した。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、同日時点でマスク氏の純資産は6611億ドル。
約3日間の評議を経た今回の評決は、世界一の富豪マスク氏にとって異例の敗訴。同氏は、高額訴訟で敗れるとみられながら勝訴してきた実績から「テフロン・イーロン」と呼ばれてきた。
マスク氏は2023年、自身が最高経営責任者(CEO)を務める電気自動車(EV)メーカー、テスラの投資家が、同社を非公開化するための資金は確保済みとするツイートで誤解を与えられたと訴えた裁判で勝訴している。
マスク氏は2022年5月13日のツイートで、ツイッターのユーザー数に占めるボットの割合を検証するため買収計画は一時的に保留されていると説明。投資家側はこれを含め、同氏のSNS投稿や公の場での発言が、実際にはツイッターの株価を押し下げ、より有利な価格で再交渉するための意図的な計画の一環だったと主張した。
原題:Musk Misled Twitter Investors Before 2022 Buyout, Jury Says (3)(抜粋)
--取材協力:Dana Hull.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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