見えないトランプ政権の出口戦略

ホルムズ海峡の封鎖は、これまでもずっと、「最悪のシナリオ」とされてきました。ただ、「封鎖」はイランにとっても原油輸出が止まるので、「そう簡単にはあり得ない」と見られていました。それが史上初めて、現実に起きたのです。世界は、イランによる「捨て身」「道連れ」の戦いに、大きな衝撃を受けているというのが実情です。

こうなることがわかっていながら、なぜトランプ政権が、これだけ大規模なイラン攻撃を始めたのか、理由も明確ではありません。まして、海峡に向かって発射されるイランの無人機(ドローン)攻撃に対して、未だ有効な手立てがないと聞けば、驚くばかりです。

トランプ大統領は当初、対イラン戦争は「4~5週間続く」と語っていました。1991年のイラクを相手にした湾岸戦争が6週間だったことも、念頭にあったのでしょう。しかし、湾岸戦争には、イラクが侵略した「クウェートの解放」という、具体的で明確な目的がありました。

今回の戦争は、一体、何を目的にしているのか、そして、いつまで続けるのか、当のトランプ氏自身にも見えていないように、私には思えます。「出口」がはっきりしないのですから、「海峡封鎖」長期化への懸念は強まるばかりです。世界経済の先行きに立ち込める暗雲は一段と分厚くなってきました。

播摩 卓士(BS-TBS「Bizスクエア」メインキャスター)