ソフトウエア大手の米セールスフォースが実施した250億ドル(約3兆9700億円)規模の起債に対し、市場の反応はさえなかった。負債を原資とした自社株買いへの懸念に加え、ソフトウエア業界が人工知能(AI)の影響をどう受けるかという不安が背景にある。

事情に詳しい複数の関係者によると、11日の起債で最終的な需要は360億ドルと、発行額の約1.4倍にとどまった。

アマゾン・ドット・コムが今週実施した370億ドル規模の起債で集めた1260億ドルの需要には遠く及ばなかった。ブルームバーグが集計したデータによると、投資適格債に関する今年の平均倍率(約4.1倍)も大きく下回った。

関係者によると、今回の起債は償還期間が2年から40年の計8本立て。最長の40年債利回りは、米国債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)が185ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)で、参考条件から10bpの縮小にとどまった。今年の類似案件では平均30bp縮小している。

こうした対照的な需要は、既存のソフトウエア企業がAIから受ける影響に対しウォール街が警戒を強め、セールスフォースがその懸念を象徴する存在となっていることを裏付けた。アマゾンなど、大規模なクラウドサービスを提供するハイパースケーラーは、AI事業への巨額投資で恩恵を受けるとみなされている。

ソーンバーグ・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、クリスチャン・ホフマン氏は「ハイパースケーラーが構築を進めているインフラは、セールスフォースのような企業の存在を脅かす」と指摘。「投資家はソフトウエア企業とその企業が抱えるソフトウエア分野へのエクスポージャーにますます厳しい目を向けている。250億ドルという発行額も決して小さくない」と分析した。

原題:Salesforce’s $25 Billion Debt Sale Draws Weak Demand on AI Worry(抜粋)

--取材協力:Caleb Mutua、Michael Gambale、Yash Roy.

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