(ブルームバーグ):12日の日本市場では、米国・イスラエルによるイラン攻撃に端を発した石油供給の混乱が長期化しインフレが高止まりするとの警戒感から、債券と円、株式が全て売られるトリプル安が再燃しそうだ。
原油先物相場は11日も上昇した。国際エネルギー機関(IEA)が過去最大規模となる石油備蓄4億バレルの緊急放出を承認するなど、原油需要国が価格高騰対策をとり始めているが、市場では一時的な措置に過ぎないと受け止められ、世界的にインフレ再燃への懸念が強まっている。
このため、債券相場は下落が見込まれる。米国ではイランでの軍事行動が長期化することで財政負担が増し、既に巨額の財政赤字がさらに拡大するとの懸念から超長期債に売り圧力がかかり始めた。高市政権の財政拡張観測が強い日本でも超長期債が売られる可能性がある。
円相場は対ドルで159円付近に下落し、1月に付けた年初来安値の159円45銭に接近している。日本の通貨当局による円安けん制や円買い介入への警戒感が強まる水準ではあるが、原油高による貿易収支悪化への懸念が円の重しとなる上、中東情勢の不透明感から投資家の間で基軸通貨であるドルの選好姿勢も強い。円を買う材料は乏しい状況だ。
原油供給安定化の見通しが立たないことが嫌気され、株式にも売りが強まりやすい。加えて、米モルガン・スタンレーがプライベートクレジットファンドの一つについて償還を制限することが日本時間12日朝に明らかになった。プライベートクレジット市場に対する投資家の不安心理を一段と悪化させかねず、リスク回避の動きが株式に逆風となりそうだ。
(注:表中の終値は米国時間終値。円相場は対米ドル、前営業日比は円の対ドル変化率。米10年金利の前営業日比は変化幅(単位:%ポイント)。日経平均の前営業日比はシカゴ・マーカンタイル取引所清算値と大阪取引所清算値との比較。シカゴ取引所が休場の場合は大阪取引所の前日清算値と最終取引値の比較。金は1トロイオンス当たりのドル建て価格)
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