(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は10日、イランでの戦争が、ロシアによるウクライナ侵攻時のようなインフレの痛みをユーロ圏にもたらさないようECBが対応すると表明した。
ラガルド総裁は国営テレビ局フランス2とのインタビューで、「われわれは異なる経済状況にあり、より良い状況にある。ショックを吸収する能力も高まっている」と指摘。「インフレが抑制され、フランスや欧州の人々が2022年や23年のようなインフレ加速に苦しむことのないよう、必要なあらゆる措置を講じる」と強調した。
ECBの目標である2%に落ち着いていたインフレが、エネルギー市場の動向を受けて再燃するとの懸念が浮上している。インフレ加速が利上げにつながる可能性もある。

2月末に戦闘が始まって以降、市場では金融引き締め観測が強まってきた。一時はECBが中銀預金金利を年内に0.25ポイントずつ2回引き上げることを織り込んだが、トランプ米大統領が今週、戦争が近く終結する可能性を示唆した後、利上げ観測は1回未満に後退した。
政策当局者は機動的に対応する姿勢を示しているが、今のところ金利を変更する差し迫った必要性はないと示唆している。
ラガルド総裁はこの日、「現在は不確実性が極めて大きく、18-19日の政策決定会合で何を決定するかを正確に言うことはできない」と述べた。「不確実性とボラティリティーがあまりに大きいため、決定を急がない」とも語った。

さらに「不確実性とボラティリティーの水準は極めて異例で、22年にも例がない水準だ」とした上で、それが「状況への対応を難しくしている」と述べた。
来週の政策決定会合では、新たな四半期経済予測が公表されるが、その前提条件は中東情勢の緊迫化で既に現実に合わなくなっている可能性がある。過去の同様のケースでは、ECBは予測を追加シナリオと併せて提示しており、ラガルド総裁は今回もその選択肢を活用する考えを示唆した。
「われわれは、『この場合はどうするのか。どう対応するのか。利上げすべきか』とシミュレーションする」とし、「これがわれわれの仕事であり、既に進めている。こうした不確実性とボラティリティーが続く限り、今後も続けていく」と表明した。
ラガルド総裁は、欧州がスタグフレーションに向かっているとの見方も否定した。
原題:ECB Won’t Allow Repeat of Last Inflation Shock, Lagarde Says(抜粋)
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