中東での軍事衝突が原油価格を押し上げ、インフレが加速しかねない状況で、債券オプショントレーダーの間では、米連邦準備制度が年内の利下げを見送るとの見方が強まっている。

アトランタ連銀の集計データによると、トレーダーは4日時点で、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標が3.5-3.75%という現行水準に年内据え置かれる25%の確率を織り込んでいる。イラン攻撃開始前の最終取引日(2月27日)の17%から確率は上昇した。

アトランタ連銀によれば、利下げなしというシナリオは、全ての可能性の中で想定される確率が最も高い。0.25ポイントの利下げ1回は24%、2回の利下げは12%だった。トレーダーが織り込む利上げの確率は16%と、2月27日の8%の倍になった。FF金利誘導目標の変化を先取りする担保付翌日物調達金利(SOFR)先物のオプションに基づいて数字を算出した。

フォート・ワシントン・インベストメント・アドバイザーズのシニア・ポートフォリオマネジャー、ダン・カーター氏は「原油価格が急騰すれば、インフレへの影響を考慮せざるを得ない。これはインフレを押し上げる方向で作用し、連邦準備制度が利下げを決定できる余地が狭まる」と分析した。

もちろん全てのシナリオを総合すると、全体的な分布は利下げ方向に引き続き傾いている。しかし、原油価格が今週に入り約20%上昇する中で、連邦準備制度がそもそも利下げできるのか、トレーダーが確信を失う様子が価格設定の変化からうかがえる。過去数営業日のオプションフローは、米金融緩和が縮小されるリスクに対し、着実なヘッジ需要が存在することを示唆している。

金利スワップ市場も、連邦準備制度の金融緩和姿勢後退を反映している。トレーダーは年末までに約35ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の緩和を織り込んでいるが、想定される利下げ幅は先週末時点の約60bpから大きく縮小した。

最近数営業日は利下げ期待の後退が米国債の売りを促し、利回りは数週間ぶりの高水準に上昇した。

原題:Bond Traders See Increasing Chance of No Fed Cuts This Year(抜粋)

--取材協力:Edward Bolingbroke.

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