(ブルームバーグ):6日の日本市場では株式が続伸した。米国・イスラエルとイランの軍事衝突が広がることへの警戒が強かった一方、これまで売り込まれた主力株の一角やソフト関連などに買いが集まった。円はやや下落、債券はもみ合い。
午前に750円超下落した日経平均株価は持ち直した。湾岸地域へのイラン攻撃で大幅高となった原油先物はアジア時間で一服感が出て、これまで相対的に軟調だったエンタメ関連やソフトウエア、自動車などへ買いが先行した。インフレによる米利下げ観測後退や景気・企業業績下押し懸念が朝方は強かった。円は対ドルで小幅値下がり、債券は方向感を欠いた。
原油相場が物価・経済や各国の金融政策に影響を与えるとの観測を通じて金融市場を揺さぶっている。トランプ政権は原油高抑制へあらゆる選択肢を検討する方針で、市場は政策の実効性を見極めることになる。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは日本株について「週前半に売られすぎ感もあったため、きょうは想定よりは売り込まれていない」と話した。「リスク資産を全面的に売るほどのシナリオとはまだ考えられていない印象だ」として押し目買いも入っていると述べた。
株式
日本株は上昇。業種別では電気機器や情報・通信、銀行、自動車、小売りなどが買われた。半面、非鉄や商社、建設などは下落した。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、米原油先物が1バレル=80ドル付近で落ち着いたことで、リスク回避ムードがやや薄れたとの見方を示した。
野村アセットマネジメントの石黒英之チーフ・ストラテジストは、地政学リスクを背景に上下に値動きの大きい展開が当面続く可能性があると6日付リポートに記した。同時にデフレからインフレに日本経済は変化しつつあり企業改革進展期待も含めて中長期的な先高観はなお根強いとみられるとした。
半導体大手のロームはトヨタ自動車系の部品メーカー、デンソーから買収提案を受けたと明らかにし、株価は制限値幅いっぱいのストップ高で取引を終えた。三井住友DSの市川氏は「今後も日本企業でより一層、再編の動きが加速していきそうで、日本株市場にとっても好ましい動きだ」と指摘した。
週間下落率では日本株はTOPIX、日経平均ともに25年4月以来11カ月ぶりの大きさになった。
為替
東京外国為替市場の円相場は対ドルで157円台後半で推移。米国で堅調な労働市場の指標を受けて長期金利が上昇したことや原油高がドルを支えた。
日本銀行の氷見野良三副総裁の国会発言を受けて、157円90銭まで円が下落する場面があった。
三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長は、ヘッドラインなどを受けて戦線が長期化して資源価格が上昇するリスクが高まりドル買いになっていると指摘。
一方、円は本来はリスクオフの買いが入るが、「中東情勢では原油価格の上昇が日本の交易条件や貿易収支悪化につながるとの見方から売られやすい」と述べた。
債券
債券相場はもみ合い。朝方は株式相場の下落を受けて買いが入っていたが、その後は週末の持ち高調整の売りが出た。米国市場で6日に発表される雇用統計を待ちたい雰囲気が強い。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは「株式は戻しており、原油以外は落ち着きどころが見えてきている。米雇用統計は久しぶりに重要な感じで、きょうの債券相場は横ばい圏で静かな取引となっている」と述べた。
岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは「きのう午後に日銀4月利上げの可能性も排除せずとの報道で先物や中長期債が下げた反動が出ているほか、株安でリスクオフ的な買いも入っている」と指摘。
中東紛争の長期化や原油価格の高止まりで、10年以下のイールドカーブはスティープ(傾斜)化しやすいと考えられるとし、5年債や10年債の利回り上昇幅が大きくなる可能性を踏まえると、「相対的に金利上昇幅が抑制される1.2%台後半の2年債の買いを検討する余地は十分にある」との見方を示した。
新発国債利回り(午後3時時点)
この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。
--取材協力:我妻綾.
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