(ブルームバーグ):人工知能(AI)の専門人材を積極的に採用している企業は、株式と債券の両市場で今年、相対的に高いパフォーマンスを示している。英銀バークレイズが分析結果をまとめた。
バークレイズは、各企業が募集するAI専門家の求人を、より一般的なAI職種と区別した上で、各業界の中央値と比較。その上で、AI専門家の採用比率と2026年における各社の株式・社債リターンを照合した。
その結果、採用比率が業界平均を下回る企業は総じてリターンで劣後する傾向がみられた。業界平均を少なくとも0.1倍下回った企業は、株式リターンは平均でマイナス19%、債券の超過リターンはマイナス0.79%だった。
一方、AIによる混乱の影響を受けにくい企業や、AI専門家の採用比率が業界平均を大きく上回る企業はアウトパフォームした。クレジットの超過リターンは、業界平均を0.4倍超上回る企業で今年、マイナス0.11%となり、投資適格債指数のマイナス0.4%、ジャンク債指数のマイナス0.3%を上回った。
バークレイズのストラテジストらは5日付のリポートで「専門的なスキルは、有意義なAI導入のより適切な指標だ」と指摘。「AI専門家の採用が中央値を下回り、従業員1人当たり売上高が低い企業は、各セクター内で最も脆弱(ぜいじゃく)とみなされる」と述べた。
同行は「複雑なテーマを比較的単純な手法で分析したものだ」とも認め、企業によっては専門家を直接採用するのではなく、AIのエンタープライズ向けソリューションを活用している可能性があると付け加えた。その上で、採用動向に基づきAIによる影響を受けやすい可能性がある企業として、クラウドストライク・ホールディングス、ワークデイ、IBMを挙げた。
クラウドストライクの広報担当者は、「このリポートは根本的に欠陥がある。執筆者自身が『単純』と表現する分析に依拠し、表面的な求人指標で当社のAI分野でのリーダーシップをゆがめている。AIの追い風の加速に支えられた第4四半期の優れた業績を無視している」とコメントした。
ワークデイの広報担当者は、同社を担当するバークレイズの株式アナリスト、レイモ・レンショー氏が同社株に「オーバーウエート」の投資判断を付与している点を指摘した。IBMはコメント要請に応じなかった。
バークレイズのストラテジストは、企業がAI専門家を採用しているかどうかを判断するに当たり、「ディープラーニング」(深層学習)やオープンソースの深層学習ライブラリーである「pytorch」といった専門的なキーワードを含む求人を対象とした。一方、「データサイエンティスト」や「機械学習」などの広範な用語は、より一般的なAI職種とみなした。
業種別では、公益事業が一般的なAI職種に加え、またはそれに代えて専門的なAIスキルを最も求める傾向が強かった。公益事業では、AI関連求人に占める専門人材向け求人の割合は平均で約50%に達した。エネルギー企業は35%だった。
原題:Hiring AI Experts Boosts Bonds, Stock Performance, Barclays Says(抜粋)
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