イエレン前米財務長官は2日、イラン情勢が原油市場に与える影響の期間次第で、米経済成長への足かせとインフレ圧力拡大の両方が生じうるとし、金融政策のかじ取りが難しくなるとの見解を示した。

FRB議長経験者でもあるイエレン氏は、カリフォルニア州ロングビーチで開催されたS&Pグローバル主催会議にビデオ出演し、「最近のイラン情勢を受け、連邦準備制度は従来より据え置き姿勢を一段と強め、利下げに一段と慎重になるだろう」と述べた。

また、インフレ率が既に連邦準備制度の目標を約1ポイント上回っていると指摘。現在のインフレ率3%のうち約0.5ポイント分は、トランプ大統領による関税措置が要因だとの認識を示した。

イラン情勢の緊迫化前の時点で連邦準備制度は、軟調な労働市場への対処を終え、インフレ鈍化を待つという立場を取っていた。

イエレン氏は、「原油価格が大幅に上昇する中でイランのショックが起きた。今後数日で何が起こるか予断を許さない」と語った。中東地域の原油輸送の要衝、ホルムズ海峡の事実上の閉鎖が数日を超えて長引けば、価格は高止まりするか、さらに上昇する可能性があると述べた。

インフレ心理

連邦準備制度がインフレ率を2%に戻せていないことを踏まえると、「『連邦準備制度は3%に下げたが、2%まで下げることに本気ではない』と市場関係者が考え始めることを、連邦準備制度は真剣に懸念しなければならない」と指摘した。

その上で、「こうした心理が定着すれば、恒常的なインフレ高止まりやトレードオフ悪化を心配することになる」とし、それが連邦準備制度の据え置き姿勢を強める理由になるとの見方を示した。

イラン情勢など重大なリスクはあるものの、イエレン氏は「米経済は現時点で非常に健全だと基本的に考えており、経済見通しを楽観している」と語った。

原題:Yellen Sees Fed ‘Even More on Hold’ Given Iran Conflict Risk (1)(抜粋)

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