(ブルームバーグ):米銀最大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は2日、中東での紛争勃発など相次ぐリスクを踏まえると、市場には本来よりも楽観が広がっていると警鐘を鳴らした。
ダイモン氏は、フロリダ州マイアミで開かれた同社の年次グローバル・レバレッジド・ファイナンス会議の会場でブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、「現時点で経済は順調で、資産価格も高い」と指摘。その上で、「本来あるべきよりもやや多くの熱狂があると思うが、ここ数年ずっとそうした状況が続いてきた」と語った。
発言の背景には、中東情勢の緊張が高まりがある。米国とイスラエルがイランに対するミサイル攻撃を開始し、最高指導者ハメネイ師ら複数の高官を殺害したことで、緊張は一段と激化した。
ダイモン氏は、市場には「かなりの慢心」が広がっており、リスクの一つがインフレだと指摘。「それはパーティーにスカンクが現れたようなものだ」と語った。その上で、イランでの戦争は、物価圧力を「ごくわずか」ながら加速させるとの見方を示した。
「事態が悪化する確率は、他の人が考えているより高いと思う」と述べるとともに、「インフレが景気下降を引き起こすだろう」とも話した。
金融システムにくすぶるリスクを語るのに当たり、ダイモン氏が生物に例えたのは今回が初めてではない。昨年10月には信用市場の異変について、それはさらなる問題の前兆となる1匹目のゴキブリだと警告していた。先週は、金融業界の競合の一部が収益追求のために「愚かなこと」をしていると注意を促している。
ダイモン氏は経済専門局CNBCとのインタビューでも、 「人々の想定よりもインフレが高進するリスクがある。それが現実になれば、パーティーにスカンクが現れたような事態になりかねない」との見方を示し、「そうならないことを願っている」と話していた。
ロシアが2022年にウクライナに侵攻して以降、ダイモン氏は地政学リスクについて警鐘を鳴らしてきた。自身のキャリアを通じても、他のいかなる懸念事項よりも重大だとの認識を表明している。
JPモルガンは昨年10月、米国の経済安全保障と強靱(きょうじん)性を強化する産業分野に10年間で1兆5000億ドル(現行レートで約236兆円)を投じる方針を表明した。ダイモン氏は発表に際し、「今すぐ行動する必要がある」と述べていた。
原題:Dimon Says Exuberant Market Doesn’t Match ‘Fine’ Economy (1)、Dimon Warns Higher Inflation Risks Being ‘Skunk at a Party’(抜粋)
--取材協力:Harris Braude.
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