(ブルームバーグ):ヘッジファンドや銀行、保険会社は、週末に米国とイスラエルがイランを攻撃したことを受け、自社の中東向けエクスポージャーの点検を急いだ。
関係者によると、国泰人寿保険や南山人寿保険など台湾の大手生命保険会社は、攻撃のニュースを受けて中東向けエクスポージャーについて週末に精査した。
英銀バークレイズでは、週明けのニュージーランド市場の動向をいち早く見極めるため、30人超が日曜(1日)に勤務した。シンガポールを本拠とするヘッジファンドのダイモン・アジア・キャピタルのトレーダーも、ウェリントン市場の取引開始に備えて待機した。
一連のミサイル攻撃でイランの最高指導者が殺害され、防衛能力も打撃を受けたが、紛争の行方は依然として不透明だ。トランプ米大統領がイラン国民に政府打倒のために立ち上がるよう呼びかけており、長期にわたる政治的混乱に発展する可能性もある。
中東情勢への警戒の高まりを受け、ゴールドマン・サックス・グループも米市場の2日の取引開始に合わせて顧客向け電話会議を開く予定だ。地政学およびトレーディング部門が原油、リスク資産、新興国市場への波及について説明するとしている。登壇者には、英情報機関トップを務めたアレックス・ヤンガー氏のほか、主要トレーディング部門の上級幹部が名を連ねる。
ブルームバーグが確認した日程表によると、国泰海通証券や中国銀河証券など中国の証券会社も週末に相次いで電話会議を開催し、中東情勢が資本市場や景気敏感セクターに与える影響を分析した。
より広範な影響については楽観的な見方を維持する投資家もいる。イランは同国への圧力により、長年にわたり世界の貿易・金融システムとのつながりは限定的だった。
アートラディス・ファンド・マネジメントを率い、世界金融危機で巨額の利益を上げた元ヘッジファンド運用者スティーブン・ディグル氏は「直感的には、大きく上昇し過ぎたものは、原油以外は売るだろう。例えば金だ。そして大きく下落し過ぎたものは買う。これは大きな混乱にはならないはずだ。イランは大きな国だが経済規模は小さく、しばらくの間、世界から半ば切り離された状態にあった」と述べた。
海外資産の比重が大きい台湾の保険会社では、トレーダーやポートフォリオマネジャーが2日の取引開始を前に慎重姿勢を強めた。関係者によると、原油価格の変動の可能性や、それに伴う債券利回りへの波及を見極めている。
台湾の金融監督管理委員会(FSC)によると、台湾の金融持ち株会社による中東主要国向けエクスポージャーは12月時点で約1兆6000億台湾ドル(約8兆円)だった。債券投資を通じた保有が多い保険業界は、同地域へのエクスポージャーが最も大きい。
バークレイズはコメント要請に直ちには応じなかった。国泰人寿と南山人寿はコメントを控えた。
原題:Hedge Funds, Insurers Rush to Size Up Exposure as Iran Spirals(抜粋)
--取材協力:Amanda Wang、David Ramli.
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.