(ブルームバーグ):米コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーは、来年夏に受け入れる大学生インターンの採用日程を前倒しした。大手コンサルティング会社とウォール街の間で人材獲得競争が激化するなか、その一環とみられる。
マッキンゼーは、2027年のサマー・ビジネスアナリスト(夏季インターン)の採用活動を今春に開始する。例年は6月まで待っていたが、これを前倒しする。学生が在学中に応募しやすくするためだという。
競合他社のベイン・アンド・カンパニーも追随した。これにより、大学のキャリアカウンセラーは、従来より数カ月早まる面接などへの対応に追われている。就職市場への不安を抱える学生の負担増も懸念される。
今回の動きは、採用を早期化している大手投資銀行との人材獲得競争で両社が追いつく一助となる。両業界はいずれも同じエリート層を主な採用対象とする傾向があり、インターンは卒業後の正社員採用につながる重要なステップとなっている。
マッキンゼーで採用活動を率いるパートナーのブレア・シーシル氏は、人材獲得競争の早期化について、「銀行など採用サイクルが非常に早い業界に一因がある」と説明。「競争力を維持しつつ、候補者の選択肢と経験を最大化することが目標だ」と述べた。
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)を含めた3大コンサル会社「MBB」の一角であるベインは、追随しなければ有力候補を逃すとした。同社の人材獲得グローバル責任者ロン・カーミッシュ氏は「マッキンゼーに採用サイクル全体を先行させるわけにはいかない」とし、「彼らは投資銀行という対応せざるを得ない力に反応している。われわれもマッキンゼーとの重複が多く、追随せざるを得ない」と述べた。
ストレスの増大
デューク大学キャリアセンターのエグゼクティブディレクター、グレッグ・ビクトリー氏は、27年夏のインターン応募締め切りは3月29日になったとマッキンゼーから伝えられた。ビクトリー氏は「選考に乗り遅れた多くの層が排除されかねない」と懸念する。ホワイトカラー不況や人工知能(AI)の影響を不安視する学生のストレス増大を指摘した。
「ストレスは高まっている。関心のない学生にも影響している」と同氏は述べた。
大学4年生の6割超が自身のキャリア見通しに悲観的で、この割合は就職情報サイトのハンドシェイクで過去最高となった。同サイトでの求人件数は2024年12月から2025年12月にかけて15%減少し、1件当たりの応募者数は増加。より有利に動こうと、早ければ1年生の段階からインターンに応募する学生も増えている。
一方、投資銀行はプライベートエクイティー(PE、未公開株)企業と採用競争を繰り広げている。PE企業は、銀行に入行した1年目の若手を早期に引き抜くことが多い。
JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)はこの慣行を問題視しており、同行は昨夏、入行前または入行後18カ月以内に他社からの将来的な内定を受け入れた場合は解雇すると通告した。
ベインのカーミッシュ氏は「採用時期の前倒しは年々加速しており、すでに15年続いている。企業にとっても学生にとっても望ましいことだとは思わない。いわば必要悪だ」と語った。
原題:McKinsey, Bain Rush to Hire College Interns Before Big Banks Do(抜粋)
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