財務省が19日に実施した20年利付国債入札は、投資家需要の強弱を反映する応札倍率が3.08倍と過去12カ月平均(3.29倍)を下回った。

応札倍率は前回(3.19倍)も下回った。最低落札価格は102円75銭と市場予想と一致。大きいと不調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は14銭、前回は25銭だった。

明治安田アセットマネジメント債券運用部の大﨑秀一シニア・ポートフォリオ・マネジャーは今回の入札について、応札倍率は下がったが最低落札価格は市場予想通りで「無難な結果」と指摘した。「平均落札価格は高くなり、生保決算ルール見直しの話などで強い結果になるとみていた投資家が買いを入れたようだ」と述べた。

債券市場では新発20年債利回りは2.97%と前日と同水準で推移している。

SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは「売りポジションの買い戻しニーズが強かったことや、年金勢の株高に伴うリバランスの株売り・債券買いへの期待も需要を後押しした」と指摘。同時に「利回りが低下したことで応札倍率は低く、応札は一部の投資家に限られた」と分析した。

新発20年国債利回りは足元2.9%台と、昨年末以来の3%の大台を下回っているが、長期で見れば歴史的高水準にある。衆院選での自民党大勝を受けて過度な財政悪化懸念が後退し、来年度からの発行減額による需給改善期待もある中、投資家の潜在需要は強い。今月実施された30年債入札も順調な結果となり、残存期間の長いゾーンの国債需給は良好だ。

日本公認会計士協会は17日、生命保険会社の保有債券に関する会計上の取り扱いの見直しに向けた公開草案を公表した。長期の保険契約を持つ生保に認められている「責任準備金対応債券」について、一定条件を満たせば減損処理の適用対象としない。超長期債の需給改善につながる内容だが実施時期は未定で、強い入札結果にはつながらなかった。

海外投資家による日本の超長期債の取引は拡大している。日本証券業協会の統計によると、2025年は海外勢が中期債と超長期債で最大の買い手だった。また、3月の国債大量償還を控え、2月末に向けては指数運用に伴い保有債券の年限長期化進める年金基金などからの需要も期待されている。

りそなアセットマネジメントの藤原貴志チーフファンドマネジャーは「海外投資家の需要が強まっており、投資家層の拡大で超長期債は需給面で環境が良くなっている」と述べた。

(第5段落に市場関係者コメントを追加するなどで更新します)

--取材協力:日高正裕.

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