中間選挙

11月に実施される中間選挙に関して、下院は民主党が勝利するとの断言が目立った。

クリントン政権以降の中間選挙時の下院選において、8回中7回は与党が全米得票率を減らした結果、ねじれ議会に陥っている。

また、足下におけるトランプ政権の支持率低下もこうした見方と整合的だ。

一方、3分の1が改選となる上院は共和党が多数派を維持するとの声が多い。

とはいえ、トランプ大統領による関税政策や強権的な移民取締に対する不満、或いは一部州の共和党予備選で保守色の強い候補が勝ちあがり中道派の支持を失う可能性があることが、選挙の不確実性を高めている。

中間選挙の最大の争点は「アフォーダビリティ(生活費の問題)」である。

ただ、関税収入を財源とした家計への2,000ドル還付やクレジットカードローンの金利規制など、その多くは議会での承認が必要な見込みであり、即効性のある政策が実施されるとの見方は少ない。

また、住宅購入対策に関しても、住宅ローン金利は長期金利次第であり、短期的な需要抑制や供給増に結び付く方策はほぼない。

もちろん、トランプ大統領が各種のアフォーダビリティ対策に取り組んでいるという「ポーズ」だけでも、一部の有権者には響くとの見方はあった。

なお、中間選挙の結果は2028年大統領選の展望と強く結びつけられないとの見方は多かった。

民主党はハリス前副大統領やカリフォルニア州のニューサム知事、共和党はJDバンス副大統領やトランプ・ジュニア氏が有力候補であるものの、候補者の行方は依然流動的である。

なお、米国民は現行の移民取締(ICE)のやり方に懸念を抱いているものの、移民政策の厳格化そのものには賛成の声が多く、移民問題が次回大統領選の争点となる場合、民主党は不利な位置にあるかもしれない。

また、民主党は2024年選挙の敗因を検証したものの、その内容を公表していない。

党内対立を避けるために公表ができない内容ならば、責任の所在が不明瞭なために今後も有効な手立てを打てないのではとの指摘があった。

(※情報提供、記事執筆:第一生命経済研究所 経済調査部 主任エコノミスト 前田 和馬)