米宇宙開発企業スペースXは年内に予定する新規株式公開(IPO)で、デュアルクラスシェア(複数議決権株式)を発行する資本構造を検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。創業者のイーロン・マスク氏は米テスラでも同様の戦略を提案していた経緯がある。

この構造は、一部の株主により多くの議決権を付与し、意思決定を主導できるようにする。マスク氏など内部関係者は過半数に満たない持ち分でも会社の支配権を維持することが可能になる。

また、関係者によると、スペースXは取締役会のメンバーを増員するプロセスにある。IPOを円滑に進め、ロケットや衛星といった中核事業を超えてマスク氏の宇宙構想を推進する狙いがある。

イーロン・マスク氏(1月22日)

スペースXは年内のIPOを目指しており、宇宙空間での人工知能(AI)データセンターや月面工場の建設資金として最大500億ドル(約7兆6400億円)を調達する可能性がある。最近では、マスク氏のxAIを買収し、事業領域をAIへと拡大した。

関係者によれば、検討が続いており、IPOに関する詳細は変更される可能性もある。情報が公になっていないとして関係者が匿名を条件に話した。

スペースXの広報担当者にコメント求めたが、現時点で返答はない。

複数の議決権を持つ種類株は、メタ・プラットフォームズやグーグルの親会社アルファベットなど米テクノロジー企業で一般的だ。創業者が長期的なビジョンに集中できるようにする仕組みとして説明されることが多い。通常、創業者や内部関係者の株式には1株当たり10議決や20議決が付与され、普通株の1票と比べて大きな差が設けられる。経営陣の説明責任が弱まるとの批判的な見方もある。

マスク氏に多議決権株式を与える構造の下では、同氏の意に反して物言う株主が経営変更を迫る際の防波堤となる。

マスク氏は過去にこうした株式構造を称賛し、テスラで少なくとも25%の議決権を確保できるよう、複数議決権株式の創設を提案。そうした影響力を得られなければ、自身のAIやロボット事業を他社で展開すると示唆していた。

原題:SpaceX Said to Weigh Dual-Class IPO Shares to Empower Musk (1)(抜粋)

--取材協力:Loren Grush、Michael Hytha.

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