(ブルームバーグ):性犯罪で起訴され勾留中の2019年に死亡した米実業家ジェフリー・エプスタイン元被告が14年、2500万ドル(現行レートで約39億円)の絵画の共同所有権を巡り、富豪のロナルド・ローダー氏とレオン・ブラック氏が分け合うことを可能にする法的枠組みの設立を取りまとめていたことが分かった。
この取引は、未成年者への売春勧誘の罪で08年に有罪を認めたエプスタイン元被告が、富と権力の世界とどこまで深く結び付いていたのかについて、新たな光を当てるものだ。
ブラック氏とエプスタイン元被告の関係は、何年も前から公に知られてきた。一方、司法省が先週公開した大量の電子メールによって、米化粧品大手エスティローダー創業者の相続人で、美術収集家でもあるローダー氏と元被告との関係が新たに明らかとなった。
プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社大手アポロ・グローバル・マネジメントの共同創業者のブラック氏は、21年まで最高経営責任者(CEO)を務めていた。
他方、ローダー氏はペンシルベニア大学ウォートン校でトランプ大統領と同窓で、25年3月にはトランプ氏のスーパーPAC(政治活動委員会)に500万ドルを献金するなど、大口献金者の1人。トランプ氏が先に次期連邦準備制度理事会(FRB)議長への指名を発表したケビン・ウォーシュ元FRB理事はローダー氏の娘婿だ。
電子メールでは、ローダー氏とエプスタイン元被告のスタッフが17年に2度、ニューヨーク市マンハッタンのアッパーイーストサイドにあった元被告の自宅で両者の昼食会を手配していたことが示されている。
司法省が公開した資料は大幅に黒塗りされており、エプスタイン元被告とローダー氏の間で直接交わされたやり取りは確認できない。
また、ローダー氏が限定的なビジネス、社交、慈善活動を超えて元被告と関与していたことを示す内容も含まれていない。ローダー氏は、元被告やその犯罪に関連して、不正行為を問われたことはない。
ローダー氏の広報担当者は、コメントを要請する電話や電子メールに応じなかった。ブラック氏の担当者はコメントを控えた。
ブラック氏は資産計画や税務助言の対価として、エプスタイン元被告に頻繁に報酬を支払っていた。元被告は14年、ブラック氏の他の金融資産の管理と並行して、同氏とローダー氏の共同所有のための合同会社(LLC)を設立した。対象となったのは、ドイツの芸術家クルト・シュヴィッタースによる作品「Ja - Was? - Bild」だ。
「Friends Ventures」と名付けられたこの法的枠組みでは、2500万ドルの作品を双方が2年半ずつ交互に保有し、いずれか一方が死亡した場合には、相手の持ち分を買い取るオプションが定められていた。
公開された資料には、18年1月以降、エプスタイン元被告とローダー氏、あるいはそれぞれのスタッフの間で接触があったことを示す記録はない。
ウォーシュ氏の名前も、エプスタイン元被告に共有されたイベント招待者リストの中で2度、電子メールに登場している。ただ、ウォーシュ氏がそれらのイベントに出席したことを示す記録はない。
ウォーシュ氏は、いかなる不正行為についても問われていない。この記事に関するコメント要請に対し、同氏の広報担当者は回答しなかった。
原題:Epstein Set Up LLC for Lauder, Black to Hold $25 Million Artwork(抜粋)
--取材協力:Amanda L. Gordon (News)、Laura Benitez.
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