米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は、イランを巡る戦争を契機とした急激な売りを受け、欧州の国債を積極的に買い進めている。

ピムコのグローバル債券部門のアンドリュー・ボールズ最高投資責任者によると、同社は戦争前に、欧州地域の債券に対してアンダーウエートの姿勢を取っていたが、現在はオーバーウエートに転じ、グローバル債券ファンドにおける欧州の比重を引き上げている。同氏は、これまで人気のあった取引が急速に巻き戻されたことで、価格の歪みが生じたとみている。

ボールズ氏はロンドンで開かれたピムコの会議で「市場にはポジションの集中が見られ、それが価格の再調整に寄与した可能性が高い」と述べ、特に英国・欧州の短期国債や欧州の金利ボラティリティー、ユーロの金利スワップカーブで大きな動きがあったとして、「私たちは欧州への投資を増やした」と語った。

欧州と英国の債券はここ数週間、その変動の速さと規模の点で際立っている。一部では、ヘッジファンドがポジション解消を急いだことが、市場の混乱を増幅させたとの見方もある。ピムコは3月、「支配的な見方に逆らう投資機会」を強調し、より金利感応度の高いグローバル債券への投資を選好している。

一方で、イランと米国が和平合意した場合でも、エネルギー供給の混乱により価格が高止まりし、物価を押し上げる可能性があるとして、懐疑的な見方も依然として存在する。短期金融市場では、欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中央銀行)の双方が、年内に利上げするとの見方が織り込まれている。

ボールズ氏は、インフレショックを受けて中央銀行が積極的に利上げを行った2022年との比較は避けつつも、経済の不確実性を踏まえて慎重な姿勢を維持しており、分散投資の重要性を強調している。

ピムコは、米国、英国、オーストラリアなどの国債市場に加え、南アフリカやペルーといった新興国市場にも投資している。社債や米ドルについては、中立的なスタンスを維持している。

ブルームバーグがまとめたデータによると、ピムコのグローバル・ボンド・ファンドは、過去1カ月で0.5%、過去1年で5.6%のリターンを上げており、業界では上位3分の1に位置している。

一部のトレーダーは現在、米国とイランの和平交渉の可能性への期待から、世界的な市場の上昇を見込み始めているが、ボールズ氏は「このような局面で過信するべきではない。謙虚さが重要だが、今回の状況からは有望な投資機会が生まれる可能性があるように見える」と述べた。

原題:Pimco Sees Opportunity in Europe’s Bonds After Selloff on War(抜粋)

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