(ブルームバーグ):トランプ米大統領は16日、来週期限を迎えるイランとの停戦延長に向け両国の協議が進む中、イランとの合意見通しは「非常に良好」だと述べた。
トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、「イランと合意に至る見通しは非常に良好で、良い合意になるだろう」と発言。米・イラン協議は今週末に再開する可能性があると述べた。
イランがこれまで抵抗してきた核兵器開発の放棄や核物質引き渡しなどの条件に合意し、ホルムズ海峡の開放なども含まれると述べたが、裏付けは示さなかった。
イラン側はそうした譲歩を行ったと公に確認していない。
トランプ氏は早期解決を見込んでいるが、ペルシャ湾岸のアラブ諸国および欧州の一部指導者は、米国とイランの和平合意の成立には約6カ月を要するとの認識を示しており、その期間をカバーする形で停戦を延長すべきだと考えている。事情に詳しい両地域の当局者が明らかにした。
トランプ氏はまた、合意に達するために停戦期間を2週間延長する必要はないとし、「かなり早期に」解決できると予想。必要であれば延長する用意があるとも述べた。
「彼らはほぼ全ての点に同意している」とし、「あとは署名するために席に着くだけだ」と話した。
北海ブレント原油は16日に約5%上昇した後、アジア時間17日には1バレル=98ドル付近に下落。米ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油は93ドル近辺で推移している。現物の原油価格は短期的な供給不足を背景に先物価格を大きく上回っており、現物価格の指標であるデイテッド・ブレント(積載日確定後のブレント原油)は116ドル前後で取引されている。
トランプ氏は16日の集会で、11月の中間選挙を前に生活費やエネルギー価格の上昇を巡る有権者の懸念を和らげようと、自身の経済政策実績への支持を訴えた。ただ、世論調査では、米国民の大多数がトランプ大統領の紛争対応に不満を示し、ガソリン価格高騰の責任はトランプ氏にあるとしている。
トランプ氏は同日、イスラエルとレバノンが10日間の停戦に合意したことも明らかにした。これにより中東地域の緊張が和らぐ可能性がある。
イスラエルのネタニヤフ首相も、停戦に同意したと動画メッセージで確認。レバノンとの「歴史的な和平合意」に向けた協議を前進させる狙いだと述べた。
トランプ氏は自身のSNSトゥルース・ソーシャルで、イスラエルとレバノンの停戦を発表。ニューヨーク時間午後5時(日本時間17日午前6時)から戦闘が停止されるとし、「永続的な和平の実現に向け、イスラエル、レバノンと連携して取り組むよう」バンス副大統領とルビオ国務長官、ケイン統合参謀本部議長に指示したと説明した。
イスラエルはレバノン南部で、親イラン民兵組織ヒズボラへの攻撃を強化しており、これにより米・イラン間の2週間の停戦が頓挫する恐れがあった。トランプ氏による16日の投稿にヒズボラについての言及はない。
トランプ氏はレバノンのアウン大統領、およびイスラエルのネタニヤフ首相と協議した上で停戦を発表したとしている。その後の投稿では、両首脳をホワイトハウスに招いて協議を行う意向も示した。
パキスタンのムニール元帥(陸軍参謀長)は今週イランを訪問し、イランのアラグチ外相の出迎えを受けた。パキスタンは米・イランの停戦延長に向けた仲介を目指している。先週末には両国政府間の協議をイスラマバードで開催したが、事態打開には至らなかった。
事情に詳しい関係者が匿名を条件に明らかにしたところによれば、米国とイランは停戦を2週間延長する案を検討している。また、別の関係者は、戦争によってイランのインフラが壊滅的な打撃を受け、米国内を含めエネルギー価格が急騰していることから、双方とも戦闘再開を望んでいないと述べた。
16日のイラン・米国両国の当局者発言からは、主要な問題で依然としてかなり隔たりがあることがうかがえるが、レバノンでの停戦が好転のきっかけになる可能性はある。
パキスタンでの協議に参加したイランのガリバフ国会議長はこれまでに、恒久的な停戦にはレバノンでの戦闘が含まれなければならないと主張している。
エネルギー供給の要衝であるホルムズ海峡の支配を巡る対立は続いており、米海軍による封鎖は4日目に入った。
ヘグセス米国防長官は「そうした事態は望んでいないが、大統領の命令があれば、ボタン一つで行動に移る準備はできている。イランは誤った選択をすれば、封鎖に加えてインフラへの爆撃を受けることになるだろう」と語った。

原題:Trump Says Deal With Iran ‘Looking Very Good’ Amid Ceasefire (5)(抜粋)
(原油相場の動きなどを追加して更新します)
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