(ブルームバーグ):著名投資家のマイケル・バーリ氏は、暗号資産(仮想通貨)ビットコインの急落がさらに悪化する可能性があると警告し、過去1年にわたりビットコイン保有を積み上げてきた企業に長期的なダメージを与える恐れがあると指摘した。
バーリ氏は2日にメディアアプリ「サブスタック」に投稿し、最初の暗号資産であるビットコインは純粋な投機資産であることが露呈し、貴金属のようなヘッジ手段としての地位を確立できていないと主張した。これは、ビットコイン供給量が固定されているため金に匹敵するという支持者の長年の主張とは逆だ。
ビットコインの価格は複数の重要な節目を割り込み、週末には関税を巡る混乱が起きた昨年以降で最安値を付けた。3日も下落が続き、一時7万3000ドルを下回り、2024年11月にトランプ米大統領が再選を決めて以降の上昇分を帳消しにした。
「吐き気を催すようなシナリオが、いまや現実味を帯びてきた」とバーリ氏は指摘。ビットコインがさらに10%下落すれば、最も積極的なビットコイン財務戦略をとる企業の1社であるストラテジーは数十億ドル規模の含み損を抱え、資本市場へのアクセスが事実上閉ざされると警告した。
バーリ氏は、2008年に米住宅市場のバブル崩壊の予測を的中させたことで知られ、マイケル・ルイス氏の著書「世紀の空売り」で描かれた。
ビットコインは昨年10月初旬に最高値を付けて以降、40%余り下落している。アナリストらは資金流入が細り流動性が縮小した点や、マクロ環境での魅力低下が重なったことを下落要因として挙げている。暗号資産市場で取引経験を積んだトレーダーの間でも、トークン経済から距離を置き、予測市場の拡大を背景にイベント結果を対象にした賭け取引に向かう向きも多い。

ビットコインは、ドル安や地政学リスクといった通常の材料に反応できていない。世界的な緊張がドルの価値低下への懸念を高め、金や銀が最高値を更新したのとは対照的だ。
企業の財務部門によるビットコイン投資や、暗号資産に連動する現物上場投資信託(ETF)の登場だけでは、価格を永続的に下支えすることも、急落による壊滅的結果を防止することもできないとバーリ氏は指摘。上場企業で約200社がビットコインを保有している点に言及し、需要の裾野は広がったものの、「財務上の資産に永続的なものは何もない」と同氏は論じた。
財務上の資産は時価評価され、財務報告に含める必要がある。ビットコイン価格の下落が続けば、リスク管理担当者が企業に売却を助言し始めると、バーリ氏は警告した。
同氏はまた、現物ETFの登場がビットコインの投機性を一段とあおり、株式市場との相関を高めたと分析。ビットコインとS&P500種株価指数の相関は最近0.50近くに迫っていると指摘した。理論的には、含み損が拡大し始めると、強制的な清算が急速に進む。
さらに、ビットコインETFで1日当たりの資金流出額が11月下旬以降で最大級となっており、そのうち3回は1月下旬の直近10日間に集中したと述べた。
ビットコインが特定の節目を割り込み続ける中、バーリ氏はより広い市場に波及するとみている。暗号資産の下落で企業の財務担当者や投機家がリスク削減のために利益の出ているポジションを売却する必要に迫られ、トークン化された金・銀先物を手放した結果、金や銀の最近の急落の一因になったと指摘した。
これらのトークン化金属先物は実物の金属に裏付けられておらず、現物市場の取引を圧倒し、「担保のデススパイラル」を引き起こしかねないと同氏は述べた。
「暗号資産価格の下落を受け、月末にかけて最大10億ドル相当の貴金属が清算されたようだ」とバーリ氏は述べ、ビットコインが5万ドルまで下落すれば、仮想通貨マイナー(採掘業者)は破綻し、「トークン化金属先物は買い手のいないブラックホールに崩れ落ちる」と警告した。
原題:Michael Burry Warns of Cascading Effects From Bitcoin Plunge (1)(抜粋)
--取材協力:Vildana Hajric.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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