(ブルームバーグ):ヘッジファンドが円ショート(売り持ち)を再び積み上げている。8日投開票の総選挙を控え、円下落がまた勢いを増すと見込んでいる。
ドル・円は、高市早苗首相が足元の円安について、輸出企業に大きなメリットがあると発言したことで、再び注目を集めた。世論調査によれば、与党が単独過半数を獲得する公算が大きく、そうなれば財政刺激策を進める余地が広がり、すでに重い日本の債務負担が一段と増す可能性がある。
オプション市場にも変化が表れている。米証券保管振替機関(DTCC)のデータによると、ドルが対円で上昇すれば利益が出る想定元本1億ドル(約156億円)以上のドル・円コール(買う権利)オプションの取引量は、3日に同規模のプット(売る権利)オプションを上回った。
コール需要が増える中、向こう1カ月のドル・円の下方向をヘッジするプレミアムは上方向に比べ、約2週間ぶりの低水準に低下した。
ノムラ・インターナショナルのG10スポット取引責任者アントニー・フォスター氏(ロンドン在勤)は、「市場がやや落ち着き、貴金属市場の過熱が沈静化したことで、ヘッジファンドの間ではキャリー取引や『高市トレード』に戻る動きが強まっている」と指摘。
「週末の総選挙で、高市氏が大勝すれば、ドル・円はより高い水準になるとの感触が戻ってきている」と述べた。
高市氏による最近の発言は、ドル・円の強気見通しが再び強まる一因となっている。「輸出企業にとっての円安の利点を強調する発言があり、これが対円でのドル買いへの関心を再燃させたようだ」とバークレイズ銀行の為替オプション部門グローバル責任者ムクンド・ダガ氏はみている。
一方、リアルマネーと呼ばれる資産運用会社は、最近のボラティリティーの高まりを受け、より慎重な姿勢を取っている。ドル・円が次にどの方向へ向かうのかについて一段の明確さが得られるの待っている状況だ。
バンク・オブ・アメリカのアジア太平洋地域G10外為取引責任者アイバン・スタメノビック氏によれば、「リアルマネーはおおむね様子見で、明確にドル・円の方向性を見越した取引をするのではなく、オプションを使ったヘッジにとどめている」という。
原題:Hedge Funds Revive Yen-Weakness Trades Ahead of Japan Vote(抜萃)
(7段落目以降を追加して更新します)
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