(ブルームバーグ):27日の日本市場では午後に金利が急騰(債券相場は大幅下落)した。米国とイランの早期停戦への不透明感から、原油高止まりやインフレ懸念が強まっている。値下がりしていた円相場は片山さつき財務相の発言を受けて対ドルで上昇、株式は東証株価指数(TOPIX)が反発。
北海ブレント原油は下落したが、月間で過去最大の上昇率となる見通しだ。インフレ懸念に日本銀行の利上げ観測が加わり、超長期ほど金利が大幅に上昇した。新発40年債利回りは前日比22ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い3.925%を付けた。円相場は早朝に対ドルで159円85銭まで下げた後、介入警戒感から買い戻された。株式は期末要因から午後に買いが集まった。
米・イラン戦争の行方やインフレに影響する原油価格の動向が各国の経済・金融政策や市場を揺さぶる状態が収まらない。
みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジスト、三原正義マーケットアナリストは27日付リポートで、トランプ大統領のイラン発電所攻撃猶予延期は停戦協議の難航を示唆すると指摘、同時に米国側から協議進展の主張も想定されるとして市場は関連情報に一喜一憂する展開が続こうと予想した。その上で和平合意の可能性は低いとみているとした。
債券
債券相場は大幅下落。原油高を受けて米国市場で長期金利が上昇した流れを引き継ぎ、売りが先行した。
東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、原油高を受けたインフレ懸念による売り圧力が続いているほか、年度末を控えた金融機関のポジション調整売りも相場の下げを加速させた可能性があると語る。来週も年度末直前で積極的な買いは見込めないほか、10年債入札への警戒感もあり金利上昇圧力が続くと予想する。
日銀は26日、政府の物価高対策など特殊要因の影響を除いた新たな物価指標の公表を開始した。
りそなアセットマネジメントの藤原貴志チーフファンドマネジャーは「推計方法を見直した需給ギャップは需要超過に転換しており、価格転嫁がしやすくなっている現状を裏付けた」と語る。
その上で戦争が早期に終結しても原油価格は元の水準に戻らず、今後さまざまなモノの価格が上昇するだろうと指摘。日銀が4月に利上げに踏み切る可能性が意識されており、債券の重しになっていると言う。
新発40年債利回りは午後3時を過ぎてから取引が成立、22bp高まで上昇した。
新発国債利回り(午後3時時点)
為替
円相場は対ドルで159円台半ばで推移した。イラン戦争長期化への懸念からドル買い・円売り圧力が根強い中、節目の160円を目前にして当局の介入警戒感も強まっており、円を買い戻す動きも出ている。
片山財務相は27日の閣議後会見で、円相場が1ドル=160円に接近していることを受けて「断固とした措置も含めしっかり対応する」と述べ、為替介入も辞さない構えを改めて示した。「特に石油関係の事象に引きずられた、投機的な動きも見られる」と警戒感も示した。
三井住友信託銀行ニューヨークグローバルマーケッツ部の山本威調査役は「戦争長期化への懸念が市場を覆っており、ドル買い、債券売り、株売りが続いた」と語る。トランプ大統領がイランのエネルギー施設攻撃停止の期限を延長すると発表して、こうした動きはやや巻き戻されたが、週末に何が起こるか分からないので、投資家は様子見姿勢になるとみる。
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは27日付のリポートで「週末に向けて不確実性が高い中、ドル買い戻しが続きやすい」と指摘。ドル・円は160円に接近しており「本邦当局の対応が焦点となる」という。
株式
株式はTOPIXが反発。朝方は中東情勢や原油高止まりへの警戒から売りに押されたが、企業の配当や需給改善をにらんだ買いが相場を押し上げた。
TOPIX構成銘柄の7割弱が上げ、商社や情報・通信、医薬品などが買われた。半面、半導体関連や電線株、不動産などは安く、日経平均は続落した。きょうは3月期決算企業の期末配当や株主優待の権利付き最終売買日で、権利取りを狙った個人投資家などの買いが入りやすかった。
岡三証券の坂本証二郎シニアセールストレーダーは、TOPIXと日経平均で2兆2000億円ほど配当再投資のフローが入るとみられ、若干買われる向きになるだろうと話していた。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは「短期筋の売りはある程度、一巡したようで投資家心理の状態はそこまで悪いわけではない」と指摘。「個人の配当取りに加え、きょうや週明けに入るパッシブ投資家の配当再投資の先物買いを見越した買いがTOPIXの強さにつながっているようだ」と話した。
東洋証券の大塚竜太ストラテジストは金利上昇について「株式市場としては気にはなっているが相場を崩すところまではいっていない」とした上で今後一段と上がるようだと重しになり得ると話した。
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--取材協力:横山桃花、深瀬敦子.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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