供給サイド主導の成長と構造的な歪み
こうした状況ながら、中国のGDP統計は供給サイドの統計で構成されており、鉱工業生産は一貫して拡大していることが結果的にGDPの拡大を促している。
また、中国国内では過剰生産能力による供給過剰状態が続くなか、習近平指導部はこの解消を目指す一方、『新質生産力(新たな質の生産力)』というスローガンの下で設備の更新投資が活発化する動きがみられる。
その結果、中国国内の過剰生産能力は解消にほど遠い状況が続く一方、製造業のみならず幅広い分野で雇用機会が失われる状況にある。
この背景には、習近平指導部が中長期的な観点で中国が「製造業強国」となることを目指すとともに、共産党体制の安定による国家の安定を重視していることが考えられる。
また、米中首脳会談を経て両国関係が改善に向かうとともに、対米輸出に対するハードルは低下しており、足元の景気は外需への依存を強めやすい状況にある。
2025年後半以降は人民元が実質的に上昇したものの、足元では上昇に一服感が出るなど輸出競争力の低下を嫌気している可能性がある。
その意味では、中国当局は2026年もGDPの堅調な拡大を目指すと見込まれるが、需要を巡る状況が不透明ななか、そのバランスの悪さが世界経済を揺さぶる可能性に注意が必要であろう。
