(ブルームバーグ):電気自動車(EV)メーカーの米テスラは、人工知能(AI)やロボティクス、自動運転に軸足を移す中で、今年200億ドル(約3兆600億円)規模の投資を行うとともに、車両ラインアップを整理する計画を明らかにした。
決算説明会で明らかにされた巨額の投資計画は、事業の重点シフトを図るテスラの狙いを浮き彫りにした。自動車販売事業が苦戦する中、同社は将来の成長がAIや自動運転技術、人型ロボットによってけん引される可能性を一段と強調している。
今年は、生産体制の拡充と一部工場の改修を進める方針で、AIインフラの構築や、人型ロボット「オプティマス」と完全自動運転のロボタクシー車両の増産を目指すとした。
テスラはまた、モデルSとモデルXの生産を停止し、カリフォルニア州フリーモントの生産施設をオプティマス向けに転用する。約9万5000ドルの高級セダンであるモデルSと、10万ドル前後のスポーツ多目的車(SUV)のモデルXは、より手頃な価格帯のモデル3やモデルYに比べると販売が低迷している。
同社はさらに、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が率いる人工知能新興企業、xAIに約20億ドルを投資する計画だ。昨年の株主投票で承認を得られなかったにもかかわらず、xAIに資金を注入する。
テスラは発表資料で、xAIの最新の資金調達ラウンドの一環として、今月、優先株を取得する契約を結んだと明らかにした。両社はまた、関係強化を目的とする「枠組み合意」も結び、「AI製品やサービスを物理的な世界で大規模に開発・展開するテスラの能力を高める」ことを目指すと説明した。
xAIへの投資は、マスク氏が率いる事業間の結び付きが一段と深まっていることを浮き彫りにするとともに、テスラがAI分野に一段と注力していることを示している。同社はEV事業が苦戦する中、AIや自動運転技術、ヒューマノイドロボットをより前面に押し出してきた。
ミラー・タバクのチーフ市場ストラテジスト、マット・メイリー氏は、xAIへの投資は多くの投資家に歓迎され、決算内容をかすませる可能性が高いと指摘。「テスラが強気派の想定通り成長を遂げるとすれば、それはロボタクシーとロボティクスによるものだろう。従って、この投資はまさに強気派が聞きたかった内容だ」と述べた。
テスラの取締役会は昨年11月、年次株主総会で正式承認されなかったxAI投資計画について、さらなる検討を行うと表明していた。
テスラとxAIはすでに協業関係にあり、テスラはxAIに大型蓄電池システム「メガパック」を供給しているほか、xAIのチャットボット「Grok(グロック)」は一部のテスラ車両に搭載されている。ブルームバーグはまた、xAIが投資家に対し、最終的にはテスラの「オプティマス」のような人型ロボットを動かすAIの構築を目指していると報じていた。
10-12月期決算
この日発表された10-12月(第4四半期)決算では、利益が市場予想を上回った。コスト上昇や、米政府のEV購入支援策の終了といった逆風を同社が克服しつつあることが示された。
10-12月期の調整後1株利益は50セントと、アナリスト予想の平均を上回った。このところ利益が予想を下回る四半期が続いていた。
この結果はEV需要の鈍化に直面し、ロボティクスや自動運転関連事業に軸足を移しているテスラにとって前向きな兆しだ。マスク氏は、こうした新たな重点分野に取り組む中で厳しい局面に直面すると警告していた。
28日の米株式市場引け後の時間外取引で、テスラ株は上昇。ニューヨーク時間午後6時31分(日本時間29日午前8時31分)時点で2%高で推移している。
原題:Tesla Plans $20 Billion of Investment, Deepens Its Focus on AI、Tesla Reveals Plans for $2 Billion Investment in Musk’s xAI (1)、Tesla Reveals Plans for $2 Billion Investment in Musk’s xAI、Tesla Posts Fourth-Quarter Profit That Beats Expectations(抜粋)
(200億ドルの投資計画などを追加して更新します)
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