過去30年の男女別正規雇用比率の変化
総務省「労働力調査」より、2024年、2014年、2004年の3時点について、性・年齢階級別に、雇用者(役員を除く)に占める「正規の職員・従業員」の割合を比較した。
まず正規雇用比率の年齢階級ごとの差について確認する。男性の場合は、15~19歳が最も低く、30歳代後半から40歳代頃にかけてピークになるという年齢分布の特徴は、3時点に共通している。
3時点を詳細に比較すると、2014年の20歳代前半・後半が2024年よりも低く、リーマン・ショック後の新卒採用の低迷から回復していなかったことなどが、要因として考えられる。
これに対して女性の場合、3時点のいずれも「正規の職員・従業員」の割合は学卒時期の20歳代前半がピークであり、30歳代以上では、年齢が上がるほど低下しており、結婚・出産退職の影響が大きいと考えられる。
3時点の違いを比較すると、2024年の20歳代前半・後半が2014年に比べて大幅に上昇しているため、20歳代の高さに注意が向きがちであるが、30~40歳代も他の2地点より大きく上昇している点は注目すべきである。
2024年に、20歳代女性の正規雇用比率が上昇したのは、少子化や女性活躍推進政策の影響で、企業が女性の採用意欲を強めているという企業側の要因が考えられるが、30~40歳代女性の正規雇用比率が上昇したのは、結婚・出産を経ても働き続ける女性が増えた影響が大きいと考えられる。
特に「40~44歳女性」の値をズームアップして、「正規の職員・従業員」の割合の10年ごとの変化を見ると、2004年は44.2%であり、2014年は41.7%となって寧ろ低下したが、2024年には52.1%となり、過去10年間で10ポイント以上、上昇した。
そこで、2010年代の出産前後の就業状態について、国立社会保障・人口問題研究所の「第16出生動向基本調査」より確認すると、女性が第1子出産後も就業継続する割合は、2010~2014年に初めて、「出産退職」の割合を上回った。
後述するように、企業による両立支援の広がりが、効果を挙げたと考えられる。2015~2019年ではさらにこの差が拡大している。
つまり、2010年代以降、結婚・出産後も働き続けてきた多数派の女性たちが、40歳代に入っても正社員の働き方を続けていることなどから、2024年の40歳代前半女性の正規雇用比率が大幅に上昇したと考えられる。
労働力調査に話を戻すと、女性全体でも「正規の職員・従業員」の割合は2024年に47.3%となって、半数近くに上った。
2003年以降、女性全体の正規雇用比率は一貫して半数を下回っていたが、若年層とミドル層の正規雇用比率が上昇し、女性全体の値を過去10年間で押し上げた。

